現代音楽家 故 吉村弘氏 巡回展開催のお知らせ

ニュースリリース

2005年10月21日会社

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神戸市営地下鉄海岸線の音デザインを手がけた
現代音楽家 故 吉村弘氏 巡回展開催のお知らせ

 TOA株式会社(本社:神戸市 吉川隆典社長)では、当社と関係が深い現代音楽家 故 吉村弘氏の巡回展を、自社ホール「ジーベックホール」にて開催いたしますのでお知らせします。

故吉村弘氏(2003年10月逝去、63歳、現代音楽家)は、TOA(株)、(株)ジーベック(TOA100%出資子会社)と共同で、多くの音デザイン事業を手がけられました。本展は今夏神奈川県立近代美術館にて開催されたものの巡回展ではありますが、当社主催の今回は、当社との関連を意識し、特に音に関する作品を中心に展示いたします。なお、吉村氏の回顧展は、関西では初開催です。

■名  称  『吉村弘の世界 音のかたち、かたちの音 巡回展』
Cosmos of Yoshimura Hiroshi: Shape of Sound, Sound of Shape
■日  程  2005年10月24日(月)〜11月6日(日)午前10時〜午後5時
■会  場  ジーベックホール(神戸市中央区港島中町7-2-1) 
■お問合せ  電話078-303-5600 担当 庄山
■入  場  無料(予約不要)
■主  催  TOA株式会社
■内  容  代表作「雲のモビール(拡大リメーク版)」他、60点

【TOAの音環境デザインと、吉村弘氏について】
拡声放送など、業務用音響機器メーカーとして公共空間の音づくりを手がける当社にとって、「音づくり」とは、「必要な情報が明瞭に伝わる」という基本的な音の役割だけに着目することではありません。時に音楽的演出やデザイン手法によって空間に彩りを与えることも、また重要な音のもつ役割であると考えます。吉村弘氏は、このような公共空間における音デザインの第一人者として主に音源(環境音、楽曲)の制作を担当し、ハードウェアと施工をTOAグループで担当する形式で、これまで様々なフィールドへの試みを共同で行ってきました。

【TOAとの共同施工事例について】
共同での施工事例は、約10件となります。特に、「神戸市営地下鉄海岸線のサウンドピクトグラム」(2001年、神戸市)においては、音によるバリアフリーへの実験的取り組みとして、視覚障害者のための音環境をデザイン。出入口、改札、トイレ、階段部などにサウンドピクトグラムを配置するとともに、列車接近音、発車予告音、時報などをトータルデザインしました。

*サウンドピクトグラム:
単純な図形で意味を伝えるピクトグラム(絵文字)にちなみ、
短いフレーズやメロディで構成され、情報を伝える音を指す。

【その他の音デザイン事例】
○横浜市総合運動公園(現日産スタジアム) (1997年 横浜市)
シンボル的な動きのある噴水に連動した、四季や時刻によって移り変わる立体音響作品。

○福岡三越・音と香のデザイン (1998年 福岡市)
アテンションチャイムなど、店内で機能的に使用される様々な音をトータルデザイン。

神戸市営地下鉄「海岸線」のサウンド・ピクトグラム

神戸市営地下鉄・海岸線では、駅舎空間の音についてトータルにデザインを試みました。
この音は駅利用者にとって心地良い音であるとともに場所を表す「サイン」としても活用できるよう工夫をしています。 出入口や改札口といった特定の場所で、全駅共通の決まった音が流れます。

この出入り口音は、各出入口の地上階段付近で鳴ります。
地下に下りていくイメージを明るいテンポのある曲です。
駒ヶ林駅の連絡通路では午前9時から午後9時まで海の中をイメージした音が流れています。センサーに反応し季節ごとの効果音が流れます。春と秋は波音とともに海鳥が飛び交います。夏は潮騒が貝殻の風鈴を奏でます。冬は波音とともに汽笛が響きます。また、15分おきに2種類の音が交互に流れます。

 

【吉村 弘 Yoshimura Hiroshi  プロフィール】
1940年  横浜生まれ
1964年  早稲田大学文学部美術科卒
2003年  10月22日 永眠

●ワーク
1978年  NHK邦楽委嘱作品「アルマの雲」作曲
1983年  釧路市立博物館環境音制作
1986年  パルテノン多摩のサウンド・タワー制作
1988年  シュウウエムラMake Upパリ公演音楽担当
1989年  名古屋市庄内緑地公園内ふれあい橋のサウンド・インスタレーション
1991年  営団地下鉄<南北線>の発車サイン音制作
1992年  第一ホテル東京シーフォート グランカフェの環境音制作
1994年  横浜美術館前広場のサウンドデザイン
1998年  横浜国際総合競技場の外周部環境音制作
1998年  大阪国際空港ターミナルビル展望デッキの環境音制作
1999年  お台場ヴィーナス・フォート<シュウウエムラ・ファクトリー>の環境音制作
2001年  神戸市市営地下鉄「海岸線」のサウンド・ピクトグラム
2003年  神奈川県立近代美術館 サウンドロゴ制作
2002年  アクアワールド大洗(大洗水族館)

●ワークショップ
1990年  「枯れ葉のレター作り」(目黒美術館)
1991年  「水のアラベスク・音のかたち」(目黒区美術館)
1996年  「いたばしサウンド・ウォーク」(板橋区教育委員会生涯学習)
1997年  「いたばしサウンド・ウォーク」(板橋区教育委員会生涯学習)
1998年  「はじめての音体験」(立川市高松公民館)
1998年  「耳で観察サウンド・ハンティングツァー」(向ヶ丘遊園)
1999年  「志木サウンド・ウォーキング」(志木市公民館)
2001年  「森のなかでみつけた音」(霊山こどもの村)

●CD
・ Music For 9 Postcards (Crescent Crescd-007)
・Quiet Forest(Prem Promotion)
・Koto Vortex 「吉村弘の音宇宙」(パラダイス・レコード)
・Four Post cards(Crescent Crescd-011) 
・Soft wave for Automatic Music Box(Nuvola CD-1) NEW
 (2005年7月7日発売)


吉村弘最新アルバム
Soft wave for Automatic Music Box

●著書
・都市の音 (春秋社) 1990年5月10日  ISBN 4393934113
  エッセイ集.自他のサウンドアート作品の紹介などが中心.CD-R音楽制作。
・街のなかでみつけた音 (春秋社) 1994年10月20日  ISBN 4-393-93411-3
  エッセイ集. 地名・事項ごとにまとめた音風景観察記が中心.アート作品の紹介も多い
・大江戸時の鐘 音歩記 (春秋社) 2002年12月
・静けさの本(CDブック) (春秋社) 2003年3月

 

以上
 

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