風を感じて…
姫路市の沖合い18㎞に浮かぶ家島は、マリンスポーツの拠点として知られる。夏、シーカヤックに挑戦する若者たち。海面近くを、すべるように進む。海との一体感が、一番の魅力だという。身体いっぱいに風を感じ、そして海を渡る風になる。
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姫路市の沖合い18㎞に浮かぶ家島は、マリンスポーツの拠点として知られる。夏、シーカヤックに挑戦する若者たち。海面近くを、すべるように進む。海との一体感が、一番の魅力だという。身体いっぱいに風を感じ、そして海を渡る風になる。
交通の要衝として栄えた加西市に、時折響く音がある。北条町駅と粟生駅を結ぶ北条鉄道。ガタンゴトンという車輪の音、警笛。地元の人はもちろん、旅人にも「おかえりなさい」といっているようだ。なんともなつかしくて、あたたかくて、心がほどけていく。
山あいにたたずむのどかな町に幻の布とよばれる綿織物がある。幕末から明治にかけて丹波地方で盛んに織られていた丹波布。大正時代に入って姿を消した美しい縞柄を、蘇らせる音がある。のどかな町に響く機織りの音。幻の布は未来へと受け継がれていく。
日本を代表する名湯、有馬温泉。その歴史は古く、神代の昔に発見され、太閤秀吉が愛した湯としても知られている。関西の奥座敷とも呼ばれる町には、風情ある家並みが今も続いている。この町を彩る源泉の音、それはまさに大地の響き、癒しの音。
大正14年に開業した摩耶ケーブルは、かつて山頂に鎮座した空海ゆかりの寺への足として利用された。今、カラフルな車両を緑の山へといざなうのは鋼鉄製の太いケーブル。山々に響くケーブルを巻き上げる音。まるで山の鼓動のように聞こえる。
日本の主要な国際貿易港の一つ神戸港。なぜか郷愁を誘う汽笛の音、行き交う船のエンジン音と波を切る音。ここは、さまざまな音の響演に心踊る、まさにステージだ。夕闇が迫る頃、ようやく訪れる静寂の時。そして港は、短い眠りにつく。