東みよし町 様

「東みよし町」のイメージ画像

災害発生時により多くの町民にリアルタイム情報を伝えられるように、ライブカメラをリニューアル。
通常は静止画をHPやケーブルテレビで配信し地域コミュニティを活性化、災害時はYouTube Liveやケーブルテレビで動画映像を配信し、町民の避難誘導をサポート。

概要

徳島県の西部に位置する東みよし町。日本三大暴れ川の1つとして数えられる吉野川が町の中央を東西に流れ、青々と茂った森林を携えた山々があり、昔から多大なる自然の恩恵を受けてきました。
東みよし町では2010年に吉野川などの河川の水位状況を確認するために、町内5カ所にライブカメラを設置。ケーブルテレビや東みよし町HPで動画を公開し、情報提供してきました。設置から10年以上が経過し、このほどライブカメラをリニューアル。スマートフォンでの閲覧に配慮し、それまでの動画配信から平常時は静止画配信に変更。災害時には動画配信も行い、YouTube Liveやケーブルテレビで水位や被害状況を確認できるようにしました。災害時でも遠隔で河川の水位が確認できるため、町民の安全と確実な避難誘導をサポートしています。

納入情報

納入先 徳島県 東みよし町 様
納入品 TRIFORA Webサービス(ライブカメラ)
納入時期 2022年1月
採用背景 2010年に防災対策を目的として町内5カ所にライブカメラを設置。町民にも吉野川などの河川水位状況や公園の利用状況をケーブルテレビおよび町HPで確認できるように配信していました。設置から10年以上が経過しライブカメラの保守期間が終了、カメラサーバーに対応したブラウザーのサポート終了時期も間近に迫ってきており、カメラの交換を検討することに。

課題と解決のポイント

課題

  • ライブカメラの保守期間、カメラサーバーに対応したブラウザー(IE)のサポート期間終了への対応
  • 海外メーカーのカメラは不意の故障時の修理が困難
  • カメラの配信サーバーでは、同時アクセスが20件。また、災害時はライブカメラへのアクセスが集中し、庁舎ネットワークにかかる負荷増
  • スマートフォンを利用してライブカメラへアクセスする人が増えたため、スマートフォンでの閲覧にも対応
  • 夜間の撮影性能の向上

解決のポイント

  • ライブ映像・画像をクラウド環境で確認・配信を手軽に実現できる「TRIFORA Webサービス」をご提案
  • 国内設計・生産のTRIFORAを採用し、保守体制を確保
  • 「TRIFORA Webサービス」の公開用Webページにて、同時アクセス数を気にせずにライブカメラの静止画をストレスなく閲覧。町のネットワークにアクセスすることもなくなり、ネットワークの負荷も軽減
  • スマートフォンでの閲覧に対応し、通常はライブカメラの静止画(5秒ごとに画像を更新)でパケット容量の負担を軽減。災害時はYouTube Liveやケーブルテレビで動画確認
  • ライブカメラをTRIFORAシリーズのフルHDカメラにリニューアル。夜間の暗視性能が格段に向上し、照明のない場所でも見えるように改善

設置・運営紹介

  • 東みよし町三加茂庁舎屋上に設置されたライブカメラ(屋外フルHDネットワークPTZカメラ N-C5700)
  • 東みよし町三加茂庁舎屋上に設置されたライブカメラ(屋外フルHDネットワークPTZカメラ N-C5700)

東みよし町加茂・東みよし町三加茂庁舎屋上に設置されたライブカメラ(屋外フルHDネットワークPTZカメラ N-C5700)。
加茂の大クス、国道192号線、加茂谷川などの静止画を東みよし町のHPやケーブルテレビのデータ放送で配信している。

  • 「ぶぶるパークみかも」の堤防上に設置されたライブカメラ
  • 「ぶぶるパークみかも」の堤防上に設置されたライブカメラ

東みよし町西庄にある「ぶぶるパークみかも」の堤防上に設置されたライブカメラ。
吉野川増水時の河川状況を確認できるので、浸水しそうな場合は倉庫やトイレなどの設備を他の場所に移す指標にしている。また、イベント広場、サッカー場、パークゴルフ場の利用状況も確認することができる。

  • 三三大橋に設置されたライブカメラ
  • 三三大橋に設置されたライブカメラ

三三大橋に設置されたライブカメラ。吉野川増水時の河川状況を確認できるほか、三三大橋の積雪・凍結の状態を見ることができる。また、アユ釣り愛好家から仲間が釣りをしているかを確認するために、カメラアングルの調整依頼があるなど、細かな町民からの要望にも対応している。

  • 小川谷総合運動公園の照明に設置されたライブカメラ
  • 小川谷総合運動公園の照明に設置されたライブカメラ

小川谷総合運動公園の照明に設置されたライブカメラ。
吉野川、小川谷川増水時の河川状況を確認できるほか、運動公園の様子も見ることができる。

  • 吉野川オアシスのライブカメラ
  • 吉野川オアシスのライブカメラ

吉野川オアシスのライブカメラ。美濃田の淵、バンガロー、吉野川オアシス、ETCゲート、吉野川増水時の河川状況を確認できる。

  • ケーブルテレビにライブ放送を行うCATVスイッチャーと確認用モニター。左のPCは東みよし町HPライブカメラページを表示。
  • YouTubeライブ配信用のライブエンコーダー。
  • 東みよし町ケーブルテレビのデータ放送画面。5カ所に設置されたライブカメラのいずれかを選択して静止画(5分ごとに画像を更新)を見ることができる。災害時には町の自主放送チャンネルへ割り込み、ライブ中継動画を放送する。
  • TRIFORA Webサービスの公開用ページ(PC表示)
  • TRIFORA Webサービスの公開用ページ(スマートフォン表示)

TRIFORA Webサービスの公開用ページ(左はPCでの表示、右はスマートフォン表示)。東みよし町HPのライブカメラページより直接リンクしている。画面は三加茂庁舎屋上から加茂の大クス方面を撮影した静止画。

TRIFORA Webサービスの公開用ページ(上はPCでの表示、下はスマートフォン表示)。東みよし町HPのライブカメラページより直接リンクしている。画面は三加茂庁舎屋上から加茂の大クス方面を撮影した静止画。

インタビュー記事

「災害発生時に町ネットワーク負荷を軽減し、町民に対して適切な情報発信できるかを第一に考え、静止画の活用とクラウドサービスの利用を決めました。
通常時、災害時の目的に応じて、また将来的にも柔軟な対応が可能なシステムを構築できました。」

徳島県 東みよし町 企画課

木藤 明宏 様

-今回の「ライブカメラ配信」リニューアルのポイントを教えてください。

木藤 氏

災害時の可用性が一番ですね。以前は庁舎のネットワーク内にあるカメラの配信サーバーにアクセスしていたので、災害時にアクセスが集中するとネットワークに負荷がかかり、庁舎の業務にも影響が出ていました。また、同時アクセスも20件までと制限があったので、災害時には管理者側もカメラへアクセスしづらくなっていました。配信数を増やすために自前で配信サーバーを構築するには費用もかかってくるので、クラウドサービスの利用を検討しました。

以前はほとんどがPCでのアクセスでしたが、現在はほとんどがスマートフォンからのアクセスです。とはいえハイビジョン動画をスマートフォンで視聴する環境ではないので、通常時はいつでも、どこでも、だれでも見られる環境を重要視して静止画を配信し、災害時についてはYouTube Liveやケーブルテレビのライブ中継で、動画も配信しています。目的に応じてツールの使い分けもできており、以前と比べても柔軟に対応できていると思います。TRIFORAカメラとクラウドサービスを一括で提供していただいたのはよかったです。

また、庁舎内ネットワークに外部からアクセスされるというセキュリティ上の不安も、クラウドサービスの利用で解決しました。セキュリティニュースでは、カメラが踏み台攻撃の元になった事例も聞いています。

-「ライブカメラ配信」をどのような用途で使用されていますか?

木藤 氏

以前のライブカメラと同様で、第一は防災目的です。5年に一度くらいは大雨による冠水・浸水が起きますので、吉野川をはじめとする河川の水位や増水状況の確認を行っています。また、雪害で大雪が降ったときに三三大橋に設置されているカメラで交通状況などの確認も行っています。その他では、吉野川などの東みよし町の景色を楽しんでいただくといった観光目的です。

変わった使い方としては、町民の方から「アユ釣り仲間が吉野川で釣りをしていないか確認したい」、「パークゴルフ仲間がぶぶるパークのパークゴルフ場にいないかを確認したい」といった細かな要望にも対応し、カメラアングルの調整を行っています。そういう意味では、地域コミュニティの活性化にも一役買っていると言えますね。

-今後の展望をお聞かせください。

木藤 氏

現在、スマートフォンの防災情報のアプリ配信を考えています。今後スマートフォンでの視聴はさらに増えます。防災情報は文字で配信しても危機感がありません。やはり、「百聞は一見に如かず」なんですよね。視覚的に認識してもらえる「画」による防災情報は説得力があります。

アプリはこれからの運用になりますが、サーバーからのプッシュ通知を行います。プッシュ通知本文のあとにライブカメラのリンクを貼ることでカメラの静止画を見られるようにする予定です。文字と画像でパッと見られるし、情報の内容も濃くすることができます。避難するときの避難所へのルートも出せるように計画中です。

このようにツールを複合的に組み合わせて防災情報を提供する手段として、ライブカメラも有効活用できていると思います。将来的にはカメラ台数の拡張も想定しています。今回のリニューアルで配信サーバーをクラウド化したためカメラ台数を簡単に増やすことができる点も安心ですね。

東みよし町の概要

徳島県の西北部に位置した人口約1万4,000人の東みよし町は、北には阿讃山脈、南には四国山地の山々を有し、中央を吉野川が流れる豊かな水と緑に恵まれた温暖な地域。2018年3月には東みよし町を含む地域が、「にし阿波の傾斜地農耕システム」として国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産に認定されるなど、以前より農業・林業が盛んな町である。
高速道路の整備により徳島自動車道吉野川ハイウェイオアシスにはETC専用インターチェンジも設置され、四国四県の県庁所在地や本州への移動時間も大幅に短縮され、今後、中国圏域や近畿圏域との交流連携の拠点として発展が期待されている。

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