ライブ&ダイニングバー音楽室DX 様
オールジャンルの音楽を着席スタイルで提供する、「音」でミュージシャンやお客様に選ばれるライブハウスに。
概要
JR山手線 高田馬場駅から徒歩約10分、早稲田大学や学習院女子大学などの学生で賑わう街の一角に、上質なライブ演奏と美味しい料理を堪能できるライブ&ダイニングバー音楽室DX(以降、音楽室DX)がオープンしたのは、昨年2009年4月。以来、白を基調にした爽やかなカフェを思わせる空間に施された充実の音環境と、プロミュージシャンも納得の音響機材、オリジナリティーあふれるフードメニューで、主に社会人のお客様を中心に連日盛り上がっています。
納入情報
納入先 | ライブ&ダイニングバー音楽室DX 様 |
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納入品 | ラインアレイスピーカーシステム |
納入時期 | 2009年4月 |
採用背景 | 大阪にある姉妹店Live Bar「D.III」に続き、お酒や食事を飲みながらオールジャンルの音楽のライブ演奏が楽しめるライブハウスの新規オープンにともない、扇状のホール空間に最適なスピーカーシステムが要求されました。そこでラインアレイスピーカーの指向性制御による高音質で均一な音場構築と、スリムでお客様の視界を損ねない意匠などが評価され、採用となりました。 |
課題と解決のポイント
課題
- 扇状のフロアレイアウトをカバーできるスピーカーシステムにしたい
- オールジャンルの音楽を演奏するライブハウスにふさわしい音響設備にしたい
- 店内内装との調和が図れ、ステージ上の見切りをよくする音響設備にしたい
解決のポイント
- 指向性制御に優れたラインアレイスピーカーをセンター、左右に配置することで扇状のフロアレイアウトを均一なサウンドでカバー
- さらに歌モノ※でのパワーを出すため、姉妹店のLive Bar「D.III」でも採用のコンパクトアレイスピーカー HX-5W を2連結して横置きで設置
- 白とオレンジでコーディネートされた店内イメージを崩さない、白で統一したラインアレイスピーカーシリーズ
詳細
背景
独特な扇状のライブハウスのフロアレイアウト。オールジャンルのライブ演奏に最適な音響設備を
2006年、大阪にオープンしたLive Bar「D.III」。多彩なジャンルの本格的なライブがお酒を飲みながら満喫できるとあって、ミュージシャンや多くのお客様でにぎわっています。その同店で高品質なサウンドを提供する音響設備として採用いただいたのが、TOAのコンパクトアレイスピーカーでした。コンパクトアレイスピーカー HX-5W は、大型定指向性ホーンと同等の指向制御をコンパクトなサイズで実現しており、従来は難しかった中低域までの音の指向制御を可能にしたスピーカーです。ラインアレイならではの指向性制御、音圧の均一さにより、Live Bar「D.III」独特の客席レイアウトに対し、位置や角度を調節することでホール内のどこにいても快適な音を聞けるように配慮され、迫力あるライブシーンの演出に貢献しています。
そのLive Bar「D.III」の姉妹店を東京・早稲田でオープンするということで、扇状のフロアレイアウトに対して、オールジャンルのライブを着席で楽しむというスタイルでライブハウスに最適な音響設備を構築する必要がありました。
課題
独特な扇状のライブハウスのフロアレイアウトに最適な、高品質でクリアな音響設備
音楽室DXの音響設備の設計に関しては、姉妹店のLive Bar「D.III」でのラインアレイスピーカー導入の際のさまざまなテストが活かされました。Live Bar「D.III」との大きな違いは、フロアレイアウトが扇状で、客席の奥行きよりも幅の方が広いという独特の形状をカバーしなければならなかったことです。そのため、ステージ前方の客席にはセンターにあるスリムタイプの SR-H3L (typeH)で、左右の客席に対してはメインスピーカーとして SR-S4L (typeS)1台とサブウーハー FB-120W 2台を一対向設置する構成でオープンしました。オープン後2日が経った時点で、「ボーカルが中心となる歌モノ※のパワーがもう少しほしい」という新たな課題が出てきました。
解決策
歌モノ※のパフォーマンスを上げたい
コンパクトアレイスピーカーを横置きにすることで解決
「歌モノ※のパワーがもう少しほしい」という課題に対して、オーナーでありLive Bar「D.III」のサウンドエンジニアも手がけられた鈴木啓三氏が出した答えが、コンパクトアレイスピーカー HX-5W を左右1台ずつ横置きで設置することでした。ラインアレイスピーカーは通常縦置きで設置されますが、扇状の音楽室DXの室内レイアウトに対して、横置きで設置することで、左右の客席に対しての指向性制御を的確に行い、エネルギーをメインスピーカーと加算させることでパフォーマンスの向上を図ることができました。さらに半年後、左右にもう1台ずつコンパクトアレイスピーカーを増設して、現在の構成にいたっています。音量的にも、音楽室DXの扇型のフロア的にも、 HX-5W を横置きすることで非常にいい形でフォローして、ホール内のどの場所でも快適なライブサウンドを聴くことができます。
※ 歌モノとは、楽器編成(インストゥルメンタル)のバンドの演奏に対し、ボーカル中心のバンド編成の演奏を指します。
インタビュー記事
- 「TOAのラインアレイスピーカーは組みやすいシステム。クオリティには満足しています。」
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株式会社ディー・シー プロ(Studio D.C / Live Bar「D.III」)
代表取締役社長 サウンドエンジニア 鈴木 啓三 氏(写真右)
- 「オールジャンルの音楽を着席スタイルで提供する、「音」でミュージシャンやお客様に選ばれるライブハウスに。」
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ライブ&ダイニングバー音楽室DX 賀山 聡 氏(写真左)
- -ラインアレイスピーカーを使ってみた感想はいかがですか?
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賀山氏
非常にクリアな音というのが第一印象です。アコースティックでやると、本当に綺麗な音が出ます。ミュージシャンの方にも評価いただいています。CDやアコースティックの音がはっきりと出るほか、楽器自体の音プラス、ミキシングやイコライジングの効果がはっきり出るため、誤魔化しが効かないので、非常に鍛えられます。私は基本的にシステムを組むことに関しては素人ですが、与えられた環境の中での音作りをする立場としては、非常に満足しています。
鈴木氏
Z-DRIVEのときから、TOAとは数多くの仕事を一緒にしていたので、ここをオープンする際にも、TOAでと考えていました。プロセッサーの部分で、普通のマニュアル的な使い方をした場合、使う場所が変わるとかなり変わってきます。設定に関しても、使用する場所に応じて使用できるのが魅力です。パワーの問題はありますが、違和感がない範囲で聞けるので、コストパフォーマンスも高いといえます。
- -ミュージシャンやお客様の反応はいかがですか?
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賀山氏
あるミュージシャンが作ったCDをライブ後にかけたら、「スタジオで聞いているみたい!」というお褒めの言葉をいただきました。また、ミュージシャンから「どこのスピーカー?」と聞かれることがあります。当店で演奏していただいたミュージシャンが「音が良かったってお客さんがいってたよ」、「また音楽室DXでやってほしいという声をよく聞くよ」といった反応をよく聞くことがあります。ミュージシャンを通じて、お客様の評価を聞く機会が結構あるので、それは励みになっています。同規模のライブハウスと比較すると、明らかにクリアな音で音量、音圧も出ていますし、聞きやすい音を提供できていると感じています。
- -今後の展望をお聞かせください。
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鈴木氏
今後も、ミュージシャンとそれを観に来られるお客様が満足するような音響やサービスを提供できるライブハウス空間を作っていけたらと考えています。
賀山氏
都内にアコースティック専門の店はいくつもありますので、音楽室DXならではの企画を、歌モノ※で確立したいと考えています。音楽をMP3で聞く時代にはなりましたが、生のライブは普遍的なものです。個人的に、30代、40代の音楽から離れている人たちを音楽に戻したいという思いがあります。80年代に活躍していたアーティストが当時と全く変わらない声で歌っているのを見ると感動しますよ。
- ライブ&ダイニングバー音楽室DXの概要
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JR山手線 高田馬場駅から徒歩約10分のところにある、早稲田通りに面した地下1階にあるライブハウス。2009年4月のオープン以来、主に、30代40代の社会人のお客様を中心に営業している。ライブを行なうアーティストも多彩で、80年代に活躍していたアーティストからツアーのバックバンドとして演奏しているプロのミュージシャン、JAZZ、アキバ系のカラオケ、サンバ、早稲田大学のOB同窓会などなど、幅広いジャンルのライブを楽しむことができる。
- ライブ&ダイニングバー音楽室DX ホームページ
http://www.ongakushitsu-dx.jp/
- ライブ&ダイニングバー音楽室DX ホームページ
※ 歌モノとは、楽器編成(インストゥルメンタル)のバンドの演奏に対し、ボーカル中心のバンド編成の演奏を指します。