ZOZOマリンスタジアム 様
(旧:QVCマリンフィールド 様)
千葉ロッテマリーンズの本拠地球場、コンサートや市民スポーツの会場として、エキサイティングで快適な空間を演出する音響設備。
概要
千葉ロッテマリーンズの本拠地球場、夏の風物詩となっているサマーソニックなどのコンサート会場、またサンスポ千葉マリンマラソンなどの市民スポーツイベントの会場として、多くの市民に親しまれているZOZOマリンスタジアム(旧:QVCマリンフィールド)。最大で30,100人の収容人数を誇り、熱狂的な千葉ロッテファンの野球観戦はもちろん、少年野球や高校野球、社会人野球の試合開催、コンサートやイベントなどを通して、年間約169万人の利用者を集めています(平成25年度実績)。
TOAでは、音響設備の改修を通して、来場者がプロ野球の試合を快適に観戦できる、コンサートやスポーツイベントなどを楽しめる音空間を提供しています。
納入情報
納入先 | ZOZOマリンスタジアム 様 |
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納入品 |
ラインアレイスピーカーtypeA ラインアレイスピーカーtypeC コンパクトアレイスピーカー デジタルミキサー D-2000シリーズ デジタルワイヤレスチューナー |
納入時期 | 2015年2月 |
採用背景 | 1990年のオープン以降、当初導入されていた音響設備を20年以上使用してこられましたが、場所によってアナウンス放送の音が聞こえづらいといった声が寄せられていました。交換部品がなく修理できない機器もあるため、2013年に音響設備の全面改修を決定されました。改修にあたっては音圧分布シミュレーションを行い、均一で明瞭性の高い音空間の構築を第一に検討が行われました。 |
課題と解決のポイント
課題
- 既存設備は導入から20年以上も経過し故障が目立ち始めており、システム全体の信頼性を高めたい
- 音が反射するなどして、アナウンス放送がはっきりと聞こえない場所を改善したい
- 機器によっては交換部品がなく修理できないものもあり、今後の音響設備の保守管理が難しい
- 市民のスポーツイベントでも、利用者が簡単に操作できる設備にしたい
解決のポイント
- 指向性制御に優れたラインアレイスピーカーの採用により、大空間でも明瞭性の高い音空間を構築
- 設計段階での音圧分布シミュレーションで、均一で明瞭性の高い音空間を実現するために最適なスピーカーシステムを設計
- フルデジタル化により、放送室からバックスクリーンアンプ室まで音質劣化のない音声伝送が可能
詳細
背景
20年以上もの長きに渡って使用してきた音響設備の維持・管理が難しい状況に。
ZOZOマリンスタジアムは、1990年のオープン以降、20年以上にわたって当初導入された音響設備を使用してきました。しかしながら海沿いの野球場ということで、塩害による錆や腐食も目立つようになりました。故障した機器の交換などの保守は行われていましたが、最近では保証期間も過ぎて中には交換部品が用意できず修理できない機器も出てきました。プロ野球の本拠地球場として、年間約70試合の公式戦を開催するほか、市民スポーツの拠点として、既存の音響設備を使用し続けるのは難しいと判断され、2013年に音響設備の全面改修を行われることが決まりました。
課題
プロ野球公式戦をはじめ、各種スポーツの試合やイベントでも均一で明瞭性の高い音空間を。
以前の音響設備は、当時の野球場としては最上級の音響設備が導入されていました。しかしながら20年以上も経過しており、場所によっては音が聞き取りづらいという声も寄せられていました。さらに、音の反射もあり、多くの観客が応援に訪れるプロ野球の公式戦では、アナウンス放送を聞きとるのが難しい環境でした。
また、バックネット裏のアンプ架からスコアボード裏のアンプ架にメタルケーブルでアナログの音声信号を送り、スコアボード側のメインスピーカーから音を出していたため、伝送中に雑音を拾うなどの影響が不安視されていました。
音響設備の操作はプロ野球の公式戦の場合、専属のオペレーターが操作しますが、市民イベントに関しては基本的に球場スタッフが操作します。そのため、簡単に操作できる環境を構築する必要がありました。
解決策
音圧分布シミュレーションで最適なスピーカーシステムを検証、デジタル化による劣化のない理想的な音を簡単操作で放送。
改修にあたっては、設計段階で音圧分布シミュレーションを行い、観客席やグラウンドにどのように音が届いているのかを分析し、球場全域に均一に明瞭性の高い音を届けられる最適な音響設備を構築しました。
スコアボード裏のメインスピーカー、内野席、外野席のサテライトスピーカーには、指向性の制御と遠達性に優れたラインアレイスピーカーが採用されました。スコアボード裏の1塁側、3塁側には、ラインアレイスピーカーtypeAとサブウーハーのセットをそれぞれ配置。内野席をカバーするのは、ラインアレイスピーカーtypeCとサブウーハー、コンパクトアレイスピーカーのセットで、14カ所に配置されています。外野席へはラインアレイスピーカーtypeCとサブウーハーのセットを8カ所に配置しカバーしています。音の反射も抑制され、明瞭性が高く、均一な音空間を構築できました。
また、音声伝送にはフルデジタル方式を採用。メタルケーブルでアナログ伝送していたバックネット裏とスコアボード裏のアンプ架間も光ケーブルでデジタル伝送することで、伝送中に雑音を拾うことなく音質劣化のない、明瞭性の高い音を届けることを可能にしています。その他、スピーカーごとの音量設定や時間差設定もPCで行えるため、操作性・利便性も向上しました。デジタルパワーアンプの採用により、以前は8本あったラックも6本に削減でき、場内放送室のスペースの有効活用にもつながっています。
さらに、デジタルワイヤレスの採用で、球場近くのワイヤレスマイクとの混信を心配することがなくなりました。多種多様なイベントでも安心してワイヤレスマイクを使用することが可能になりました。
インタビュー記事
インタビュー実施日:2015年3月18日
「千葉ロッテマリーンズの本拠地球場、また千葉市民のスポーツ、イベントの拠点としてさらに地域を盛り上げる球場にしていきたい。」
- -音響設備の改修にあたって重視されたことは?
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長瀬 氏
プロ野球の公式戦を開催する球場として、年間70試合程度の本拠地主催試合が行われますし、少年野球や高校野球、社会人野球の試合のほかにも、音楽イベントや市民スポーツイベントなど、多目的に利用されています。オープン以降、長年に渡って使用してきたため、明瞭性の低下や場所によって音が聞こえづらいといった声を聞いていました。音響設備の改修により、用途に限らず明瞭性の高い音を球場全体に、均一に届けられる音響設備を目指しました。
- -苦労された点は?
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三瓶 氏
ZOZOマリンスタジアムは両翼99.5m、センター122.0mのグラウンドに、収容人数30,100名のスタンドを持つ大空間です。音がどのように聞こえているのかを把握するのが難しかったですね。設計段階に行った音圧分布シミュレーションは球場全体にどのように音が聞こえているのかを視覚的に把握でき、非常に役立ちました。
- -デジタル化のメリットは?
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山根 氏
音響面での明瞭性の向上と、操作面での自動化が大きなメリットです。アンプ架間の接続をメタルケーブルから光ケーブルに替えたことで雑音の影響を受けることがなくなり、明瞭性の高い音をメインスピーカーから届けることが可能になりました。その他、PCでの設定や自動操作、メモリー機能により誰でもスムーズな操作が可能になるので、そのメリットも大きいと考えています。
- -今後の展望をお聞かせください。
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田中 氏
今回の音響設備の改修で、より快適に野球観戦を楽しめる、スポーツイベントや競技を楽しめる空間になりました。地域に、お客様に愛される野球場として、もっと市民の皆さんに足を運んでいただき、スポーツやイベントを通して千葉市のさらなる活性化につながればと考えています。
- ZOZOマリンスタジアムの概要
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- DATA
スタジアム|千葉ロッテマリーンズ
http://www.marines.co.jp/stadium/
千葉県千葉市美浜区の県立幕張海浜公園内にある多目的野球場で、1992年より千葉ロッテマリーンズが本拠地球場として使用している。現在は株式会社スタートトゥデイがネーミングライツを取得、球場名をZOZOマリンスタジアムとしている。
従来の野球場にあった照明塔に代わって観客席上部の庇にサークルラインを使用するなど、外観もスマートで、自然な明るさの中で野球観戦が楽しめるようになっている。
千葉ロッテマリーンズの公式戦のほか、夏の全国高等学校野球選手権千葉県大会、社会人野球、少年野球の大会なども行われる。野球以外ではコンサート、スポーツイベントの会場として使用されている。- DATA
スタジアム|千葉ロッテマリーンズ
http://www.marines.co.jp/stadium/
- DATA
導入商品
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ラインアレイスピーカー typeA
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ラインアレイスピーカー typeC
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コンパクトアレイスピーカー
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デジタルミキサー D-2000シリーズ
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デジタルパワーアンプ DA-550F
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デジタルワイヤレスシステム WT-D1804
生産完了品