西武バス株式会社 様

「西武バス株式会社」のイメージ画像

高速バス停留所に「タウンレコーダー遠隔見守りサービス」を導入。
バスを待つ利用者の様子をカメラ映像で確認し、営業所から遠隔放送で運行情報をお知らせ。

概要

首都圏と甲信越や北陸、近畿、箱根・軽井沢を結ぶ都市間高速バス、空港連絡バス、季節運行バスなどを運行営業している西武バス株式会社。地域社会とお客様に“安全・安心のバス”を提供するため、事故防止や環境保全などのさまざまな取り組みを行っています。
なかでも高速バス停留所でバスを待つ利用者のために導入されたのが、TOAの「タウンレコーダー遠隔見守りサービス」です。高速バス停留所の状況をカメラで確認しながら、バス停に設置されたスピーカーから運行情報などを放送。バスを待つ利用者へのサービス向上に貢献しています。

納入情報

納入先 西武バス株式会社 様
納入品 タウンレコーダー遠隔見守りサービス
屋外ドームカメラ一体型レコーダー G-R301-2(※以下、タウンレコーダー)
ホーンスピーカー SC-705A
納入時期 2017年12月
採用背景 渋滞等で高速バスに遅延が発生した際に、高速バス停留所でバスを待つ利用者の状況を遠隔地にある営業所で確認し、必要に応じて運行情報などを伝達することができるシステムを検討されていました。設置工事などに制約があったため、映像や音声を配信するインフラ工事が不要なTOA「タウンレコーダー遠隔見守りサービス」を提案し、ご採用されました。

課題と解決のポイント

課題

  • バスの到着に遅延が発生した場合、バス予約時に登録された連絡先に連絡するが、すべての利用者に連絡が取れず、運行状況を知らせる手段がない。また、予約なしで当日飛び込み利用される方にも運行状況を知らせることができない。そのため苦情を寄せられることもあった
  • バス停留所が運行担当営業所から離れており、迅速な対応ができない
  • 高速バス停留所の場所柄、周囲に建物や人通りがなく、特に夜間のバス利用者への防犯面の対策が必要
  • 高速道路上に専用のネットワーク回線を敷設するには、費用や工事の時間がかかる

解決のポイント

  • 高速バス停留所に「タウンレコーダー遠隔見守りサービス」を導入。遠隔地にある営業所から、タウンレコーダーのライブ映像でバス停留所の状況を確認しながら、タウンレコーダーに接続されたスピーカーを通じて利用者に高速バスの運行情報などの案内放送が可能
  • タウンレコーダーを防犯カメラとしても使用。カメラ映像の確認、スピーカーで営業所からの音声警告などが可能
  • タウンレコーダーからのライブ映像配信は専用閉域網のLTE回線(携帯電話用無線データ通信回線)を利用するため、専用ネットワークの敷設が不要。また、タウンレコーダーの配線はAC100V電源とスピーカー配線のみのため、工事も簡単

詳細

背景

十数年前より関越道に高速バス停留所を新設。
週末には渋滞が恒常的に発生するため、定時運行が難しいことも。

西武バスでは、地元自治体の要請に応え、2005年3月に首都圏と北信越を結ぶ都市間高速バスの停留所を、関越道の川越的場に新設しました。しかしながら、川越的場バス停留所付近は週末を中心に渋滞が頻繁に発生するため、バスの定時運行が難しいこともありました。

課題

バス停留所が営業所から離れており、高速バスの運行情報をリアルタイムにバス停留所に伝達するなど迅速な対応ができない。
停留所に並んでいる利用者の有無が確認できないため、運行情報を案内できない。

川越的場バス停留所は運行担当営業所からも離れており、渋滞や事故によるバスの遅延が起こった場合に直接バス停留所に情報伝達する手段がありませんでした。予約客に対しては申し込み時に記入された電話番号に連絡していましたが、記入された電話番号では連絡がつかないこともありました。また、予約なしで当日川越的場のバス停留所に飛び込みで来られる利用者の有無も把握できなかったため、バスの運行状況を連絡することができず、苦情が寄せられるケースもありました。
バス停留所は高速道路上にあるため、大掛かりな工事をともなう設備導入は費用的にも環境的にも高いハードルがありました。

解決策

タウンレコーダーをバス停留所に設置。「タウンレコーダー遠隔見守りサービス」を利用し、担当営業所からバス停留所のライブ映像を確認し、利用者に運行情報を的確に案内放送することでお客様サービスを向上。

川越的場バス停留所に導入されたのは、高解像度カメラと内蔵SSDにカメラ映像を記録する録画機能を一体化したタウンレコーダー。「タウンレコーダー遠隔見守りサービス」を利用し、バス停留所の状況を遠隔地にある営業所からライブ映像で確認できます。さらに、バスの遅延などが発生した場合でも、バス停留所でバスを待つ利用者の映像を見ながら、タウンレコーダーに接続されたスピーカーを通じて利用者に高速バスの運行情報などの案内放送が行えます。必要に応じて運行担当営業所の連絡先を伝えることで、利用者に安心を提供できることにもつながっています。
また、防犯カメラとしても利用し、営業所からカメラ映像を見ながらスピーカーで音声警告などを放送できます。タウンレコーダーに内蔵されているSSD(250GB)にフルHDの高解像度画像を常時記録しているため、有事の際には警察などの関係各所からの要請があれば録画データの提供も可能です。

  • 川越的場バス停留所の様子を映像で確認する、タウンレコーダーG-R301-2と、待合室内外でバスを待つお客様に案内放送を行うホーンスピーカーSC-705A。
  • カメラ・レコーダー・デジタルアンプ一体型で、LTE通信(無線)により待合室の限られた空間でも省スペースで設置することができる。既設のAC電源の利用で、専用ネットワークなどの通信インフラ設置が必要なく、施工も短期間で終えることができた。
  • 川越的場バス停留所につながる連絡通路。的場駅からも距離があるため、車の送迎で利用される方が多いという。

練馬営業所にある「タウンレコーダー遠隔見守りサービス」用のパソコン。川越的場バス停留所に設置されたタウンレコーダーのライブ映像を確認できるほか、マイクを使って遠隔による音声放送を行うことができる。

  • 練馬営業所は音声放送を行うため、パソコンで常時接続。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからもカメラのライブ映像が確認できるため、本社や軽井沢営業所でも映像を確認している。

インタビュー記事

「バス停の状況をカメラ映像で確認した上で案内放送を行えるので、利用者からのクレームもなくなり、お客様サービスが格段に向上しました。」

西武バス株式会社 事業部 高速バス課 副長

木村 勉 様

-「タウンレコーダー遠隔見守りサービス」をどのように使用されていますか?

木村 氏

現在、川越的場バス停留所のタウンレコーダーの映像は、運行担当営業所の練馬営業所のほかに、本社、軽井沢営業所で確認しています。練馬営業所では、カメラ映像を見ながら、バス停に設置されているスピーカーへの音声発報、案内放送などが行えます。急に案内放送が必要な状況になっても的確に放送できるように、マニュアルを用意しており、練馬営業所の職員約20人全員がカメラ映像を確認して案内放送が行えるようにしています。

導入当初より混乱もなく、現場からの改善要望などもとくに上がってきていません。何度か川越的場バス停留所のライブ映像を確認してお客様に対して状況連絡を音声で行いましたが、問題なく使用できています。

-タウンレコーダーの使用効果はいかがでしょうか?

木村 氏

「タウンレコーダー遠隔見守りサービス」導入後は、一切お叱りのお電話はなくなりました。最近も大きな事故が関越道で発生して通行止めになったことがありましたが、川越的場バス停留所に音声放送し、スムーズにお客様に状況説明することができました。また、今年の冬は雪が多く、バスの定時運行に支障が出たこともありましたが、その際のバス停の状況確認や運行情報の伝達にも大変役立ちました。

事故や渋滞などはいつ起きるかわからないので、遠隔からでもスマートフォンでカメラ映像が確認できるといった機能は非常に便利です。事故などでバスが遅れるというのはお客様も一定の理解をいただいていると思いますが、バス停でバスを待っているお客様に対しては「何が起こっているのか」「どうしたらいいのかがわからない」という状態にしていることが問題です。運行管理と言うよりはお客様へのサービス、利用者の利便性の向上という点で非常に便利なシステムだと思います。

-今後の展望について、どのようにお考えですか?

木村 氏

現在の音声発報は川越的場バス停留所への一方的な発報のみが可能ですが、将来的には私たちの案内放送に対するお客様のリアクションを映像だけでなく音声でも確認でき、対処方法などの伝達に役立てたいといった思いがあります。それができるようになると、さらにお客様の要望を具体的に聞くことができ、的確な情報伝達が可能になります。また、川越的場バス停留所でのテスト放送の確認も、係員を派遣せずに無人で完結することができます。

このように高速バスや空港連絡バス、季節運行バスを利用されるお客様の安心と満足につながる取り組みを継続して行っていくことで、お客様サービスをさらに高めていきたいと考えています。

西武バス株式会社の概要

西武バス株式会社の本社は埼玉県所沢市にあり、東京都北西部から埼玉県南西部にかけてをおもな営業エリアとしている。路線数は、都市間高速バスが17路線、空港連絡バスが4ブロックから6路線、季節運行バス(冬季スキーバス)が2路線(グループ会社運行分も含む)。高速バスは練馬、所沢、大宮、軽井沢の4営業所で運行している。

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