体験児童の満足度アンケートを集計
2013年度のTOA Music Workshopにおいて、全体験児童を対象に、選択式回答と感想自由記述からなる満足度アンケートを実施しました。
2013年度体験児童数=1,571名
有効回答数=1,466
【設問】
・音楽とダンスは、楽しかったですか?
・またやってみたいと思いますか?
・感想を、自由に書いてください。
小学校低~中学年対象の「ANIMAL CONCERTO」と中~高学年対象の「STEP TO BEAT!」について、それぞれの選択式回答を集計したところ、「ANIMAL CONCERTO」では「楽しかった」が92%、「またやってみたい」が88%、「STEP TO BEAT!」では「楽しかった」が96%、「またやってみたい」が91%となり、両プログラムともに高い満足度であることが分かりました。
2012年度のデータと比較すると、「ANIMAL CONCERTO」を体験した4年生が「またやってみたい」と回答した数が、8ポイント増加しています(2012年度73%→2013年度81%)。低学年を対象とした同プログラムでは、これまで中学年においては気恥ずかしさから満足度が低くなることが課題となっていました。2013年度では、司会者の採用、ダンス内容の見直しなどプログラムの改善を行い、中学年でも無理なく楽しめる内容としたことが、数値に現れたと推測できます。
※2013年度実施学年のみ集計
TMWの特徴は、子どもたちがアーティストという学校外の人材とのコミュニケーションを行うことにより、普段とは違った体験をすることです。90分間という短い時間の中で、どうすればより子どもたちが親しみをもってアーティストに接することができるか、印象に残してもらえるのか。その成果を測る指標として、TMWでは自由記述内に現れる、アーティスト個人名の出現比率に着目しています。
2013年度は、子どもたちに、より親しみを持ってもらうための取り組みとして、アーティストのキャラクターの事前周知を行いました。ワークショップ開催前1ヶ月間を目途に、アーティストの顔写真、呼び名、児童へのメッセ―ジを掲載したポスターを校内に掲示。あらかじめアーティストを知ることで親近感を持ち、当日を楽しみに思うことで、ワークショップの効果の向上を意図しました。
その結果、昨年度と比較して「アビさん」「キョンさん」などのアーティスト個人名の出現が13.1ポイント向上し、約2倍に。また、「男の人」「ダンサー」など、氏名を特定しない表現も含めた人物関連記述の総数も、5.8ポイント向上しています。子どもたちの意識の中にアーティストと過ごした時間が、印象的に残っていることが伺えます。
関連するエピソードとして、普段は学校を休みがちだった児童が、ポスターを見ることで、ワークショップを楽しみに登校した事例が複数報告されており、学外人材の参画が学校生活にプラスの影響を与えたことが伺えます。
事前に校内に掲示したポスターの例。
ダンサー版、ミュージシャン版、司会者版など、役割ごとに掲示された。
「Animal Concerto」のテーマである「動物」をモチーフとしたダンスについて児童の印象を調べたところ、低学年は「ワニ」が、中学年では「ゴリラ」が好まれていることが分かりました。これは、自由記述における各ダンス関連記述の出現率を調べたもので、それぞれ2位以下に2倍近い差をつけており、学年別に特定のダンスに人気が集中していることが伺えます。
このプログラムで使用している4つの動物ダンスには、それぞれに特徴があります。ストレッチとしての「ぞうダンス」は、ゆっくりとした象の動きをイメージしながら体をほぐしていくもの。「トリダンス」は、準備運動を兼ねたリズム運動で、鳥の羽ばたきをイメージしながら音楽に合わせて両腕を上下させるもの。「ゴリラダンス」は、ダンサーをリーダーとして、その動きを全員で真似をするもの。「ワニダンス」は、自分の両腕をワニの口に見立て、友達に噛み付くしぐさなどで周囲とスキンシップをするもの。ワニダンスは追いかけっこの要素もあり、友達と積極的に触れ合えることが、低学年の子どもたちに好まれているようです。ゴリラダンスは集中してプロのダンサーの真似をすることで、普段はしない動きに挑戦できること、音楽に合わせてテンポよくダンスを切り替えいくスリリングな楽しみがあり、難易度の高いダンスに面白さを感じる中学年に好まれると推測できます。
2013年度の体験児童の自由記述のうち、特徴的な感想をご紹介します。