札幌を代表するランドマークタワーの老舗レンタルスペースで、さまざまな用途のイベントに対応する、混信やノイズに強く、高い情報セキュリティを実現した音響システム。
札幌の中心部、大通公園にあるランドマークタワー「さっぽろテレビ塔」。1957年(昭和32年)の開業以来、札幌市街地から東西に延びる大通公園の街路樹、芝生や花壇などの花々に囲まれ、また噴水や多彩な彫刻に彩られ、訪れる観光客や市民の憩いのオアシスとして親しまれています。地上90メートルの展望台では、遠く札幌市を取り巻く円山や大倉山など四季折々の札幌の景色を眺めることができます。
その、さっぽろテレビ塔2階にある多目的レンタルスペースの音響システムは会議や展示即売会、宴会など、さまざまな規模・用途で利用されています。レンタルスペースのリニューアルに際し、混信やノイズに強く、情報セキュリティの高いシステムが導入されました。利用されるお客様が安心・快適にワイヤレスマイクをお使いいただける音環境づくりにTOAは貢献しています。
納入先
さっぽろテレビ塔 様
納入品
800MHz帯デジタルワイヤレスシステム WT-D1804、WM-D1200等
デジタルステレオミキサー M-864D
デジタルパワーアンプ DA-150FH
広指向性天井埋込型スピーカー F-2351C
納入時期
2013年8月
採用背景
使用されていたワイヤレスシステムが納入から10年が経過し、更新が検討されました。更新にあたり、ワイヤレスマイクの混信、情報セキュリティ対策、利用用途や人数によってレイアウト変更を行った際の音響調整、音質改善などの課題が挙げられ、最新の音響システムへのリニューアルが決定されました。
2002年に内外装を大改修したときから使用しているワイヤレスマイクシステムが納入から10年が経過し、音響システムの更新を検討する時期が近づいていました。さっぽろテレビ塔は札幌市の中心街にあり、周辺は車や札幌市民、観光客の往来も多く、ワイヤレスマイクを使用した催しや会議なども頻繁に行われています。そのため、さっぽろテレビ塔以外の施設で使用しているワイヤレスマイクの音を拾って拡声してしまう、あるいはさっぽろテレビ塔で開催しているイベントの音が外部に漏れるといった混信の不安を持たれていました。社会的にもコンプライアンスや情報セキュリティ管理に対する関心が高まっている中で、高品質で情報セキュリティの高い音響システムへの更新を検討されることになりました。
ワイヤレスマイクの使用頻度が多いさっぽろテレビ塔周辺の環境の中で、以前より使用されていたアナログのワイヤレスシステムでは重要なイベント開催中に他のワイヤレスの音を拾って拡声してしまう危険がありました。また、混信による外部への情報漏えいの心配もありました。
さらに、人数の多いイベント時には音量を上げないと会場全体に拡声内容が聞こえにくい一方、音量を上げすぎると、真下への指向性を持った天井埋込型のスピーカーが設置されていたためハウリングの心配もありました。イベントの規模や内容によって、部屋の間仕切りを取り払って使用したり、部屋を細かく区切って使用するケースもあり、さまざまなフロアレイアウトに変更しても、簡単に最適な音環境に調整できるようなシステムが求められました。
混信や情報セキュリティ対策に関しては、新発売のデジタルワイヤレスの導入をご提案。デジタルトゥルーダイバシティ方式の採用により、混信やノイズに強く、安定した受信と高音質を実現、幅広い年齢層の利用者の方がマイクで話しても聞き取りやすくなりました。また、ワイヤレスマイクとチューナーのセキュリティIDによる認証で、高い情報セキュリティ環境を実現しています。以前は混信等により同時に2本しか使用できなかったワイヤレスマイクが、今回は一度に4本の使用ができます。有線マイクも2本使用できるので、合計6本が同じ操作卓から使用できるなど、ワイヤレスマイクを多数利用するイベントにも対応できるようになりました。さらに操作卓の移動制限も解消され、フロアを大きく利用するイベントから、小さな部屋単位の催しまで、ワイヤレスマイクを利用していただきやすくなりました。
また、会場のレイアウト変更による音響調整に関しては、マイクのハウリング抑制や音声の明瞭性を向上させる音響調整などをボタン一つで自動的に可能になるデジタルステレオミキサーを採用いただきました。さらに広指向性の天井埋込型スピーカーにより、広く均一な音空間を構築することでき、高音質で聞き取りやすいアナウンス、放送を利用者の方に届けることが可能になりました。
多目的ホールに設置されている音響システム。上部にデジタルステレオミキサーM-864D、下部にデジタルワイヤレスチューナーWT-D1804、デジタルパワーアンプDA-150FHが入っている。
上部に設置されているデジタルステレオミキサー。デジタル信号技術による各種音響調整が手軽な操作で可能になり、さまざまな用途での施設利用に対応できる。
デジタルワイヤレスチューナーWT-D1804。デジタルワイヤレスにしたことで、混信の心配もなくなり、明瞭性の高い音をイベント時や宴会時に届けることができるようになった。
混信やノイズに強く、高音質の音を届けるデジタルワイヤレスマイクWM-D1200。おもにスピーチ用として使用され、話す人の癖などに左右されず、聞き取りやすい音になったという。このほかにタイピン型のWM-D1300も導入されている。
明瞭性の高い放送を届ける広指向性天井埋込型スピーカーF-2351C。
「札幌を代表するレンタルスペースとして、札幌市民の方にも、また広く日本全国からも、さまざまな用途で利用していただける施設を目指していきます。」
株式会社さっぽろテレビ塔
事業本部 次長
伊藤 嘉則 氏
使用し始めてわずか1か月程度ですが、安定感のある放送ができています。以前はマイクと距離を置いて話す人はどうしても頼りなく聞こえるので、ボリュームを上げていました。ボリュームを上げるとハウリングが起きてしまうといった悪循環もあって、重要な場面に関しては、有線マイクを使用するようにしていました。 デジタルワイヤレスになってからは、マイクから離れて立つ人でも、ある一定のクオリティでしっかりと聞こえるという安心感、信頼感があります。デジタルステレオミキサーのおかげもあり、音響調整もボタン操作ひとつでできたり、スピーカーも以前は真下の人しか聞こえなかったのですが、広がりを持って聞こえるように改善されました。導入前の課題はすっかり解消しています。
デジタルステレオミキサーのボタンを押すだけで、簡単に音響調整ができるのは非常に便利です。とくにうちは柱もあるし、パーティションで仕切って小さい部屋として使用したり、4つの部屋の仕切りをなくして使用する場合もあって、ワイヤレスマイクを使用する環境はさまざまです。そのさまざまな用途や使い方に合わせて音響の調整、設定を簡単にできるので、スタッフも積極的に使い方を覚えようとしています。事前に調整しておけば、スタッフがイベント開催時につきっきりでサポートする必要もなくなるので、非常に便利になります。
最新のデジタルワイヤレスシステムによってワイヤレスの混信の心配もなくなり、情報セキュリティ対策も万全になりました。また、音質が改善し、聞き取りやすい音を届けることができるようになりました。最近はとくにコンプライアンスや情報セキュリティ管理に敏感ですので、最新の音響システムにリニューアルした効果をお客様にアピールし、レンタルスペースの利用者を増やしていくとともに、利用者の方に安心してワイヤレスマイクを使用していただき、有意義なイベントにしていただきたいですね。地元密着のレンタルスペースとして札幌市民の方にも利用していただきたいですし、札幌を代表する観光スポットにあるレンタルスペースとして日本全国から利用していただける施設を目指していきたいです。
さっぽろテレビ塔は、1957年(昭和32年)8月24日に開業した北海道札幌市の大通公園内にある高さ147.2メートルの電波塔。札幌市営地下鉄大通駅からさっぽろ地下街オーロラタウンと接続しており、交通アクセスに恵まれている。2階のレンタルスペースのほか、1階は屋外多目的スペースとして各種イベントなどに利用されている。
非公式キャラクター「テレビ父さん」が人気で、Webサイトやパンフレットに登場、各種お土産品にもなっている。
さっぽろテレビ塔
http://www.tv-tower.co.jp/index.html
800MHz帯デジタルワイヤレスシステム(10ch)生産完了品
800MHz帯デジタルワイヤレスシステム(10ch)生産完了品