音戯ばなし 歴史や文化のなかの音 暮らしをつむぐ鐘 中世の面影をとどめている街は、どこか音に敏感な感性をもたらしてくれる。南仏のディーニュという街には、昔から人々と生きてきた鐘がある。時折そっけなく鳴り出すその音色は、まるで街中に波紋が広がるように天上の音楽の響きがする。これが中世の音風景に違いない。