宮崎県清武町 様
地震と水害の被害を抑え、住民の安全を守る、TOAの一歩進んだ減災対策システム
概要
宮崎市に隣接する清武町は、国立大学などの充実した教育機関と風光明媚な田園風景が広がる「文教田園都市」です。もともと防災意識の高い清武町では、このたび、「緊急地震速報システム」と「河川監視システム」を導入され、一歩進んだ減災対策に取り組まれています。
地震による被害を低減する「緊急地震速報」システムをTOAの音声技術がサポート。
緊急地震速報システムとは、気象庁の緊急地震速報と連動し、地震の大きな震動が発生する以前に警報を発令することで住民の避難行動を促すシステムです。2007年10月1日から気象庁による一般提供が開始されるよりも前に、清武町はその実験モデルとして指定され、取り組みを開始しています。同システムの構造は、地震データが気象庁から防災科学研究所を介して清武町庁舎に送信され、震度3以上の地震の場合は、庁舎からすみやかに町内全域に設置されたスピーカーを通じて警報を発令するようになっています。
緊急地震速報システムでネットワークを利用し、音声の送受信を行う役割を果たすのがTOAのネットワークオーディオアダプター、 NX-100S です。 NX-100S は、高品位な音声や音楽をリアルタイムに伝送するパケットオーディオ技術を採用しており、清武町のイントラ回線やインターネット回線を通じて、リアルタイムに音声の送受信を行います。実際に、清武町にある3つの小学校において行なわれた避難訓練の結果では、 NX-100S にはタイムラグが殆どないことが証明されています。また、 NX-100S はLANや専用線だけでなく、インターネットを利用した高品位の音声伝送も可能な為、運用コストや設置コストなど、大幅なコスト削減にも役立っています。
清武町全域の河川を一括監視する「河川監視システム」で水害に備える。
河川監視システムとは、庁舎のパソコンなどで清武町全域の河川を一括して監視するシステムです。河川水位の確認は24時間に亘ることもあり、システムの性能には夜間時の視認性の高さが求められます。そこで用いられているのがTOAのネットワークカメラ、 N-CC2561 、 N-CC2360 です。両商品ともになめらかな動画の監視と精細な静止画の同時録画が特長です。河川監視システムの設置は、台風などの悪天候の際、河川水位の確認作業を清武町職員や消防団の方々が現場で目視することによる危険な状況の回避にも貢献しています。特にドーム型カメラ N-CC2561 に関しては、広範囲の監視ができる点で高い評価を得ています。
「緊急地震速報」とは?
緊急地震速報とは気象庁が進める減災の為の取り組みで、2007年10月1日から一般への提供が開始されています。その仕組みは、地震の発生直後に震源に近い地震計でとらえた観測データに基づき、気象庁が各地での主要動の到達時刻や震度を一般の方々などに可能な限り素早く知らせるシステムです。具体的には、地震波には伝播速度が速い初期微動「P波」と伝播速度は遅いが大きな揺れを起こす主要動「S波」があり、P波を検知してすぐに地震の規模や位置を即時に求め、警報を発令することで、S波が到着する前に減災対策を実行することが可能になります。
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