日本橋一丁目三井ビルディング(COREDO日本橋)

日本橋一丁目三井ビルディング
(COREDO日本橋) 様

「日本橋一丁目三井ビルディング(COREDO日本橋)」のイメージ画像

東京五輪を控え、観光客だけでなく日本で働く外国人も増加。
外資系企業の方や商業施設を利用される方に、非常用放送設備と連動した「多言語放送支援システム」で安全・安心に貢献。

概要

江戸時代より商業、文化の中心地として栄え、現在でも伝統と新しさが共存する街・日本橋。その日本橋のランドマーク的な存在として2004年に開業したのがコレド日本橋です。低層部は商業テナント、高層部には外資系企業も含む賃貸オフィスが入居する複合ビルで、毎日多くの観光客やオフィスで働く会社員で賑わっています。
TOAでは、コレド日本橋を利用する日本人・外国人利用者に対して、非常用放送設備と連動して多言語放送を可能にする「多言語放送支援システム」を三井不動産と共同開発。非常時の告知と避難誘導をスムーズに行うことで、コレド日本橋の安全・安心な施設運営に貢献しています。

納入情報

納入先 三井不動産株式会社 様
納入品 多言語放送支援システム
非常用放送設備
納入時期 2017年3月
採用背景 観光目的による訪日外国人の増加だけでなく、外資系企業のオフィス契約などにより、コレド日本橋を利用する外国人が増えてきました。今後東京五輪なども控えさらなる増加も見込めることから、より安全に施設を管理運営していくために、日本語だけでなく多言語による非常用放送のニーズが高まってきました。

課題と解決のポイント

課題

  • 入居中の外資系企業の方や商業施設を利用される外国人観光客の方に、多言語による非常時の避難誘導放送を流したい
  • 非常時でも慌てることなく、非常用放送設備を使って円滑に多言語による放送を行いたい
  • 放送する防災センター職員の個人差に左右されることなく、聞き取りやすい多言語放送を実現したい
  • さまざまな非常事態を想定して、登録した文章を呼び出して放送するだけでなく、放送したい文章を簡単に追加して放送したい。東京オリンピックを控え、ますます増加する外国人観光客や外国人労働者に対し、シンプルで分かりやすい多言語放送を行いたい
  • コレド日本橋だけでなく、幅広い施設でも使用できるような「多言語放送支援システム」を構築したい

解決のポイント

  • 多言語放送を実現するソフトウェアを組み込んだパソコンと非常用放送設備を連動させることで、多言語放送が可能に
  • パソコン上で日本語のテキスト文を選択、穴埋め文字や繰り返し放送する回数を設定するだけで非常時に合わせた柔軟な多言語放送環境を実現
  • 登録したテキストを合成音声で放送。確実・正確で聞き取りやすい多言語放送に
  • 登録したテキストだけでなく、手入力による自由文章も合成音声での放送に対応
  • 多言語放送が求められるさまざまな施設でも使えるように、汎用性・拡張性を持たせたソフトウェアを開発

詳細

背景

外国人観光客や外資系企業のテナント入居が増加。多言語による避難誘導放送は、手動操作・肉声で対応。

日本橋は古きよき江戸文化の情緒と伝統を感じさせる街として、外国人観光客からも人気の高いエリアです。コレド日本橋は多くの外国人観光客が利用しているほか、オフィスとして入居する外資系企業も増えており、外国人利用者の割合が増加しています。それにともない、コレド日本橋では施設利用者に対する安全を確保し、安心して施設利用していただくために、火災や地震などの非常時には、手動操作で非常用放送設備のマイクを使って、肉声で日本語と英語の避難誘導放送を行っていました。

課題

非常時でも簡単な操作で多言語による避難誘導放送を行いたい。施設利用者の方すべてが聞き取りやすい多言語放送を実現したい。

多言語による避難誘導放送を行うのは、火災や地震発生など緊急を要する非常時です。手動による操作、肉声による放送のプレッシャーは相当なものがあります。また、常に放送を行う職員が同じとは限りません。職員によって英語を話すスキルや発音、イントネーションもさまざまで、外国人利用者からも「聞き取りづらい」といった改善要望が寄せられていました。日本人、外国人にかかわらず、すべての施設利用者にとって聞き取りやすい多言語放送が求められました。

解決策

パソコンによる操作で誰でも簡単に。避難誘導PCソフトウェアと非常用放送設備との連動で実現。

長年のビル管理ノウハウを持つ三井不動産と、業務用音響機器分野で多くの納入実績のあるTOAが、非常用放送設備との連動による多言語放送支援システムを共同開発。多言語放送を実現する避難誘導PCソフトウェアとコレド日本橋館内の非常用放送設備とを連動させることで、多言語による避難誘導放送が実現しました。ソフトウェアには施設利用者に必要な放送の文例を合成音声の音源データとして内蔵していますので、防災センター職員はパソコン操作で非常時の状況に応じた文例を選択し、自動放送をすることが可能になりました。また、登録していない日本語や英語の文例も手入力により登録することで、合成音声による放送が可能です。これにより従来の煩雑な操作がなくなり、放送を行う職員による差や聞き取りづらいといった問題も解消し、施設利用者に確実に伝わる多言語による自動放送環境を実現しています。

防災センターのパソコンに導入された「多言語放送支援システム」の避難誘導PCソフトウェア。項目を選択していくだけの簡単操作になっています。

  • マウス操作で放送したい文面を選択。変更箇所や繰り返し放送する回数を設定するだけで、合成音声による多言語の自動放送が可能です。放送する人の発音や声質に左右されず、いつ放送しても聞き取りやすい音質で、多言語放送を実現しています。
  • 防災センターが地下から移転するのにあわせて、老朽化が気になり始めた非常用放送設備もリニューアルされました。今回の「多言語放送支援システム」は非常用放送設備の付加装置の位置づけで、従来は肉声放送で対応していた多言語放送の自動放送化を実現しました。

インタビュー記事

「簡単なパソコン操作で、合成音声による聞き取りやすい多言語での避難誘導放送が可能になりました。
コレド日本橋を利用されるすべての方の安全・安心をサポートします。」

三井不動産株式会社 ビルディング本部 日本橋一丁目オフィス

技術長 加藤 浩 様

-「多言語放送支援システム」の使い勝手はいかがですか?

加藤 氏

「多言語放送支援システム」導入前は、火災や地震などの非常時には非常用放送システムを手動操作して、防災センターの職員による肉声であらかじめ決められた文面を日本語、英語で放送していました。職員の英語を話すスキル、声質もさまざまで聞き取りやすさにムラが生じていました。今回の「多言語放送支援システム」導入後は、登録された文章を選択して変更内容や繰り返し放送する回数などを設定するだけで、常に聞き取りやすい避難誘導放送を館内に流すことができています。操作もシンプルで非常にわかりやすく、約40名の防災センター職員がすぐに操作方法をマスターしました。肉声放送のプレッシャーからも解放され、随分便利になったと感じているようです。

-テナントのスタッフやオフィスを利用する外国人の方の評価はいかがですか?

加藤 氏

1年に一度、テナントとして入居しているショップや企業を対象に、アンケート調査を実施しています。以前のアンケートでは避難誘導放送について「和製英語で聞き取りづらい」「録音した音源を流した方がいいのでは」といったご意見をいただいていました。今回の「多言語放送支援システム」導入後のアンケートでは、そうした改善要望の記入が一切なくなり、聞き取りやすい放送が実現できているという実感があります。

-今後の展望をお聞かせください。

加藤 氏

2年後には東京オリンピックも控えていますし、外国人観光客や日本で働く外国人もこれからますます増加することが予想されます。多言語放送支援システムは三井不動産とTOAとでコレド日本橋のために共同開発したシステムですが、そのほかの施設でも導入しやすいように拡張性・汎用性を持たせて開発していますので、今後さまざまな施設で導入されるのではと期待しています。
また、コレド日本橋としては、今後想定される非常事態について自動放送の登録文章を増やすことできめ細かな対応を行い、安全・安心な施設運営管理ができるように万全を尽くしてまいります。

日本橋一丁目三井ビルディング(コレド日本橋)の概要

2004年3月に、東急百貨店日本橋店跡地に開業した商業ビル。永代通りと中央通りが交わる日本橋交差点に位置しており、東京メトロ銀座線・東西線、都営浅草線 日本橋駅とも地下で直結しています。高層部は賃貸オフィス、低層階は商業テナントが入居する複合ビルになっています。

商業区画は「COREDO日本橋(コレド日本橋)」の名称がついています。コレドの名称は「CORE(中心・核)」と「EDO(江戸)」を合わせた造語で、「江戸の中心」という意味。歴史と文化が魅力の日本橋におけるランドマーク的な存在です。

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