都城市議会場 様

「都城市議会場」のイメージ画像

煩雑な議会運営業務の効率化・省人化に貢献する 有線会議システムと議会運営ソフトウェア。

概要

南九州では、鹿児島市、宮崎市に次いで3番目となる、人口16万5千人を誇る宮崎県都城市。日本有数の農業地域で、宮崎牛をはじめとする畜産業がとくに盛んに行われていることでも知られています。最近では、ふるさと納税の寄付金額、件数ともに全国トップ10に入るなど、注目を集めています。
TOAでは、経年劣化による不具合や制御用PCのソフトウェア更新、音響・カメラシステムのデジタル化対応などの課題を解消する本会議場への有線会議システム、議会運営ソフトウェアの納入を通して、議会運営の安定化と効率化・省人化、議会の「見える化」に貢献しています。

納入情報

納入先 都城市 様
納入品 有線会議システム TS-910シリーズ(特型)
議会運営ソフトウェア(制御用PC、タッチパネルモニター)
デジタルステレオミキサー M-864D
デジタルパワーアンプ DA-250FH
場内用フルHDカメラ
場内用55型液晶モニター
傍聴席用モニター
赤外線会議システム TS-800シリーズ
納入時期 2014年11月
採用背景 以前より使用している本会議場の有線会議システムが、経年劣化により不具合を生じるようになりました。また、制御用ソフトウェアを起動するパソコンのOSがサポート終了となり、ソフトウェアの更新が必要となったことやハウリングの抑制などが課題として挙げられました。

課題と解決のポイント

課題

  • 議員の方や執行部が本会議場での審議に集中できるように、既存設備からの意匠や操作方法をなるべく変えたくない
  • 経年劣化による本会議場の不具合を解消したい
  • ハウリングが起らないように調整のできるシステムにしたい
  • 議会運営ソフトウェアを起動するパソコンのOSがサポート終了のため、ソフトウェアを更新しなければならなくなった
  • マイクの割り当てやカメラ映像の切り替え、テロップの挿入、起立採決の集計、反訳業務などに多くのスタッフの手が取られる
  • ケーブルテレビの議会中継や本会議場のモニターに映る映像が不鮮明でわかりにくい

解決のポイント

  • 有線会議システムの会議ユニットを特注対応することで、既存設備を有効利用でき、操作方法もなるべく変えず意匠にも配慮
  • オールインワンで操作可能な議会運営ソフトウェアにより、長期に渡る安定運用が可能
  • 信頼性の高い有線会議システム、デジタルミキサーにより、ハウリングを解消
  • 都城市の議会運営に合わせて議会運営ソフトウェアをカスタマイズ、電子採決の導入や反訳業務のデジタル化により効率化・省人化が可能に
  • フルHDカメラの導入により、鮮明な映像をケーブルテレビ中継や本会議場のモニターに届けることが可能に

詳細

背景

経年劣化により本会議場の議場用システムに不具合が発生。ソフトウェアを起動するパソコンのOSもサポート終了に。

都城市議会の議場用システムは、2~3年前より制御用のソフトウェアを起動するパソコンの故障、ハウリングや原因不明のカメラの不具合などが発生するようになりました。また、ソフトウェアはパソコンのソフトウェアとして起動していましたが、OSがサポート終了となったため、新たにソフトウェアを更新しなければならなくなりました。また、都城市議会では、年4回の定例会の模様をケーブルテレビで中継放送していますが、地上波デジタル放送対応のテレビが普及した現在では、カメラの映像が非常に粗く、中継を視聴される市民の方にも非常に見づらい状態になっていました。

課題

本会議の運営や中継などで多くのスタッフの労力を取られる。採決や反訳業務の効率・正確性の向上が課題。

都城市議会の場合は既設の本会議場への設備更新のために、議場用システムの経年劣化や性能低下による音響面・映像面での不具合、ソフトウェアの更新のほかに、設置スペースなどの課題をクリアする必要がありました。また、操作環境が大幅に変わると、議員の方が審議に集中することが難しくなるということから、なるべく既設の議場用システムの意匠や操作方法に合わせることが求められました。
そのほか、本会議の中継や運営でケーブルテレビスタッフや事務局職員の手がかなりかかっていました。さらに起立採決になると、正確を期すためにさらに増員して対応しなければなりませんでした。また、テロップは作業できるスタッフが限定され、ケーブルテレビの議会中継画面にしか流すことができなかったため、傍聴者には議事の進行がわかりづらくなっていました。そこで議会運営の効率化、省人化を図るため、また採決の正確性と省力化を図るため、議会運営ソフトウェアの検討、電子採決の導入やデジタル化による反訳業務の効率化が要望されました。

解決策

既存の本会議場の机に収納でき、オールインワンで操作が可能な議会運営ソフトウェアで操作方法もなるべく変えないようにするために有線会議システムのユニットを特注対応。電子採決や反訳業務などの効率化、省人化に貢献。

都城市の本会議場に設置されたのは有線会議システムTS-910シリーズ。据置型の会議ユニットを特注対応することで、議長席、局長席、執行部席、議員席の既設の議場用システムの設置スペースに収めました。電子採決以外は既設の議場用システムと同様の操作方法にすることで、安心して審議に集中できる環境づくりをサポートしています。
操作が煩雑であったソフトウェアはオールインワンの議会運営ソフトウェアをさらに都城市議会の運営形態に合わせてカスタマイズすることで、長期に渡る安定運用を可能にしています。また、電子採決について、棄権者を明確にするため、採決の前に「参加」ボタンを設けて採決への参加意思を確認した上で、「賛成」「反対」のボタンを押すといった方式が採られています。採決結果に関してはすぐに集計され、本会議場内のモニターやケーブルテレビの議会中継に反映されるなどの対応が可能になりました。議会中継のカメラ映像も鮮明になり、さらにテロップも中継映像だけでなく、本会議場内や本会議場前のモニターに流すことが可能になり、議会進行の「見える化」が実現されています。
多くの労力がかかっていた反訳業務もデジタル化により、業者への音源提供や発言者の確認等もログからテキストデータを抽出することで、確認作業も容易になり、またでき上がってきた会議録の確認作業も効率化されています。

  • 議長席に設置されている、特注対応の議長席用モニターユニット。特注対応することで以前のシステムから操作環境がなるべく変化しないように配慮されている。

  • 執行部席の足元にある、I/Fボックス。この構成で3議席分の端末を接続している。
  • 執行部席のモニターユニット。マイクは既存マイクを流用している。操作環境も以前のものをベースに開発。
  • 議員席用のモニターユニット。電子採決用のボタンは、まず採決に参加する場合は参加ボタンを押した上で、「賛成」、「反対」ボタンを押す流れになっている。

  • 出席議員者数と発言残時間を表示する大型モニター。

  • 電子採決の結果も、さまざまなレイアウトで本会議場の大型モニターに表示することができる。
  • 操作席のタッチパネルモニター。定例会の際は主にモニター室での操作になるが、ここでも会議システム、カメラシステム、発言残時間システム、テロップ、電子採決システムの制御が可能。
  • 傍聴席にある大型モニター。以前はテロップの表示ができなかったが、現在ではテロップを流すことも可能で、議事の進行の様子がわかりやすくなった。
  • モニター室にある議場システム制御架。中央には、有線赤外線統合会議システム センター装置TS-910が入っている。
  • モニター室の調整卓。マウス操作により、会議システム、カメラシステム、発言残時間システム、テロップ、電子採決システムの制御を主にこちらで行っている。

  • 委員会室の議会放送設備に採用されたのは、赤外線会議システムTS-800シリーズ。参加者数や席レイアウトに応じて柔軟な対応が可能。

インタビュー記事

中島 恵利子 氏
「音響面、映像面で、議会の様子がわかりやすくなり、議員の方や傍聴者の方にも満足していただいています。」

都城市 議会事務局 次長

中島 恵利子 氏

野﨑 康治 氏
「議会運営や反訳業務の効率化、省人化にしっかり貢献できています。」

都城市 議会事務局 議事担当副主幹

野﨑 康治 氏

-実際に新しい会議システムを運用してみていかがですか?

中島 氏

議員の方は、ハウリングも解消され、議会中継の映像も鮮明になったということで喜んでおられます。傍聴席にある2つのモニターで定例会や全協議会での審議の様子を流していますが、かなり見やすくなったと思います。また、本会議場の傍聴席に入る前に設置しているモニターへも、「休憩中」や「〇〇時より審議再開」などの情報をテロップで配信したりしていますので、傍聴者の方から事務局への問い合わせも少なくなりました。

-運営側の手ごたえを教えてください。

野﨑 氏

以前は、マイクの操作、カメラの操作、テロップの入力作業、音源の録音や記録を行う合計4名で対応していました。さらに採決になれば、集計・確認作業を行うプラス2名の合計6名で対応していました。現在では最低2名で対応していますが、作業量としては1名で十分こなせるくらいになりました。マウスやタッチパネルで簡単に操作できるので、本当に楽になっています。議場にいる事務局職員が議会の運営に全神経を傾注できるようになり、より本来の役割に集中できる環境が整いました。
反訳業務に関しても、デジタルデータのやりとりが可能になりましたので、音源データの受け渡しや、でき上がってきた会議録の確認作業も容易になり、業務効率が大幅に改善しました。効率化・省人化という当初の目的は達成できたのではないでしょうか。

-今後の展望をお聞かせください。

中島 氏

今回の議場用システムの改修により、とくに議長がスムーズに議事を進行できる、議員の方が審議をしやすい、傍聴者の方にとっても見やすくわかりやすい議場用システムに生まれ変わっています。議会事務局としては、このような状態が維持されるようにしていきたいですね。
「議会のネット配信についても検討してみては?」といった声を、一部の議員の方や市民の方からいただいています。将来的に議会のネット配信にも対応できるような議場用システムになりましたので、実施時期は未定ですが、市民に開かれた議会として、今後議員の方々とも検討していけたらと考えています。

都城市の概要

都城市は、宮崎県の南西端に位置する宮崎県第2の都市で、南は鹿児島県と接しています。市の中央をほぼ南北に大淀川が流れ、東の鰐塚山と西の霧島連山に囲まれた都城盆地に市街地があります。
九州縦貫自動車道の都城インターチェンジをはじめ、5本の主要国道が整備され、JR日豊本線と吉都線の乗り継ぎ駅として、また40km圏内に宮崎空港と鹿児島空港があるなど、南九州の交通の要所として、また「南九州の広域交流拠点都市」として、南九州における産業・経済・教育・文化の中心的役割を担うまちづくりが期待されています。

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