奈良国立博物館 様

「奈良国立博物館」のイメージ画像

国立博物館の来館者、展示物を高精細映像で見守る約120台のネットワークカメラシステム。

概要

東大寺、興福寺、春日大社などに囲まれた奈良公園の一角に位置する、奈良国立博物館。日本に4館ある国立博物館の1つで、仏教と関わりの深い古美術品や考古遺品などの文化財の保存を図り、調査・研究を行うとともに、それらの展示を通して仏教美術の魅力と、その背景にある豊かな歴史・文化を広く発信、伝えています。
秋には、恒例の「正倉院展」を開催、千年の時を経ても色褪せることなく燦然と輝く至宝の数々に多くの歴史ファンが魅了され、毎年多くの来館者を集めています。
TOAでは、奈良国立博物館の展示スペースのほか、博物館の屋内外に約120台余りのネットワークカメラのシステムを構築。来館者の安全・安心、ならびに文化財などの収蔵品を高精細映像で見守る防犯カメラシステムを構築しました。

納入情報

納入先 奈良国立博物館 様
納入品 ネットワークカメラシステム
納入時期 2014年3月
採用背景 既存の防犯カメラシステムは20年ほど前に導入されたアナログカメラシステムで、老朽化が進み、カメラの映像が劣化するなどの不具合も発生するようになっていました。また、屋外にも防犯カメラを増設したいという要望や、キーボードによる操作性の改善に対する要望も出されていました。
そこで、高精細のカメラ映像、改修工事の簡素化、将来的なカメラ増設などのメンテナンス性、システムの操作性などが評価されネットワークカメラシステムへのリニューアルが決定されました。

課題と解決のポイント

課題

  • 従来のアナログカメラよりも、より高精細な映像で確認したい
  • 従来のシステムではモニターの数だけのキーボードが必要で、操作性が悪く、見たい映像がすぐに見られないなど、操作が複雑で手間がかかる
  • 屋内の展示スペースだけでなく、敷地内の屋外スペースにも防犯カメラを設置したい。また、既設のネットワークカメラは継続して使用したい
  • 従来システムよりもカメラ台数の多い大規模な防犯カメラシステム(録画機器含む)を構築したいが、ラックを置くスペースは従来のシステムより減らしたい

解決のポイント

  • ネットワークメガピクセルカメラを採用することで、従来のアナログカメラの約4倍の高精細映像でのモニタリング・録画/再生映像の確認が可能に
  • ソフトウェア「スーパーマルチビューアーソフト」を採用し、カメラの操作/モニターの映像切替が1台のキーボードとマウスで簡単操作
  • LANの口にLANケーブルを接続するだけで、カメラの増設が容易なネットワークカメラシステムを導入。改修工事も容易に
  • 最大64台のカメラを記録・配信できる大容量ハードディスクを内蔵したネットワークデジタルレコーダー「ネカ録」を採用。省スペース化を実現

詳細

背景

アナログカメラシステムの導入から約20年が経過。カメラの老朽化により、新たな防犯カメラシステムの導入を検討。

奈良国立博物館では、来館者と展示物の安全を守るために、20年ほど前にアナログ防犯カメラシステムが導入されました。そのカメラシステムも、経年劣化によるカメラの故障や不具合が見られるようになり、その都度、工事のしやすいネットワークカメラへの入替が部分的に行われていました。
しかし、アナログカメラも耐用年数切れや修理部品も廃番になるなどメンテナンス対応が困難になり、一斉改修を検討されていました。また、駐車場など屋外の敷地をカバーできるように防犯カメラを整備してほしいといった要望や、操作性の改善などの要望も出ていました。

課題

高画質化、操作のしやすさ、システムの拡張などが課題に。高精細映像で簡単操作の防犯カメラシステムを要望。

カメラシステムの一斉改修にあたり、既設のシステムよりも高精細な映像で確認できるシステムを求められていました。また、既設以外の場所や屋外などへも防犯カメラの増設を検討され、将来的にもカメラの増設がしやすいシステムを要望されました。
カメラ映像の選択や分割表示の変更などの操作についても、モニターごとにキーボードが分かれており、操作が複雑でお困りでした。
さらに、カメラ映像をモニタリングする守衛室では録画機器などを収納した5本のラックを減らして、スペースを有効活用したいとのご要望もお持ちでした。

解決策

IPネットワークを活用した高精細ネットワークカメラシステムを構築。既設のネットワークカメラを含めて約120台のネットワークカメラを整備。

今回納入したのは、約120台のネットワークカメラをネットワークデジタルレコーダーで記録し、複数のモニターに表示されたカメラ映像の切り替えや操作を1箇所で集中管理できるネットワークカメラシステムです。
ネットワークカメラは設置場所に応じて2種類(箱型、ドーム型)のカメラが採用されました。高精細映像でのモニタリングが可能で、スイッチングHUBにより多数のカメラ信号を集約でき、今後、カメラを増設するなどのシステム拡張も容易です。さらにスイッチングHUBはPoE対応でLANケーブルでカメラに電源供給を行えるため、カメラの電源工事が必要なく、工事費用や工期も抑えられました。
カメラ映像の記録には、大規模なネットワークカメラシステムの記録とライブ映像のモニタリングが可能なネットワークデジタルレコーダー「ネカ録」が導入されています。大容量HDDを内蔵したネットワークカメラ用のデジタルレコーダーで、長時間の記録が可能です。以前は5本のラックに収納されていた録画機器が、今回の改修によりラック2本に収納でき、守衛室の窮屈なレイアウトも大幅に改善されました。
「ネカ録」用ソフトウェア「スーパーマルチビューアー」により、5台のモニターに表示されるカメラ映像の切り替えやカメラの操作を1台のキーボードとマウスで一括操作できます。

  • 屋外に設置されているネットワークコンビネーションカメラ N-CC2720。カメラ、取付金具、ポール、接続盤に至るまで、すべて景観に配慮した保護色で塗装している。
  • 屋内に設置されているネットワークメガピクセルカメラN-CC2100M。レンズは近赤外メガピクセル対応レンズCT-MR3VFG。

  • 今回の改修で増設されたミュージアムショップの天井に取り付けられたネットワークカメラ。
  • 東西新館を結ぶ回廊にも、新たにカメラを設置。
  • 守衛室には5台のモニターが設置され、モニター1台につき16台のカメラ映像を表示。5台のモニターに映っているカメラ映像は、1つのキーボードとマウスで映像の選択、分割表示の変更、コンビネーションカメラの操作や録画映像の確認などが行える。
  • ラックに設置されたネットワークデジタルレコーダー「ネカ録」。今回の改修で5本のラックを2本に集約でき、守衛室のレイアウト改善にもつながった。

インタビュー記事

「今回の防犯カメラの整備により、多くの来館者の方が安心して奈良国立博物館の仏教美術を鑑賞していただく一助になれば。」

奈良国立博物館 総務課 環境整備係

梅園 和弘 氏

-防犯カメラシステムをネットワークカメラシステムにリニューアルされた感想はいかがですか?

カメラ映像は鮮明になりました。操作性もよくなり、5台すべてのモニターを1台のキーボードとマウスで簡単に操作できるようになりました。従来はおもに屋内の展示スペースに防犯カメラを設置していましたが、今回の改修工事では展示スペース以外の建物や場所にも増設され、防犯カメラでカバーできるエリアが広くなりました。また、今回は駐車場を含む屋外スペースに防犯カメラを新設していますので、死角も少なくなっています。博物館の敷地、館内を防犯カメラでほぼ一覧することができるようになり、守衛室の警備員も非常に便利だと感じているようです。

-今後の展望をお聞かせください。

鮮明に映る防犯カメラを博物館の屋内外がカバーできるように整備したので、さらに安心して奈良国立博物館の展示物、仏教美術品をご覧いただける環境ができました。「正倉院展」をはじめとする特別展の広報活動を積極的に展開して、より多くの方に来館していただきたいと考えています。より安全になったと思いますし、ぜひ奈良国立博物館にお越しいただき、仏教美術を鑑賞していただけたらいいですね。

※「ネカ録」は、三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社の登録商標です。

奈良国立博物館の概要

奈良国立博物館は、1895年(明治28年)に開館した、現在日本に4つある国立博物館のひとつで、仏教美術を中心とした文化財の収集、保管、研究、展示を行うとともに、講演会や出版活動などを通じた普及活動を行っている。展示施設は本館、本館付属棟、東新館、西新館、地下回廊がある。
館収蔵品1,834品(国宝13品、重要文化財111品を含む)のほか、奈良県下を中心とした社寺や個人からの寄託品も多く、1,951品(国宝53品、重要文化財320品)を誇っている。
毎年秋に実施される「正倉院展」の会場でもあり、その他年2回の特別展が開催されている。

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