神奈川歯科大学 様
神奈川歯科大学がこだわった設備と「音」
概要
豊かな自然と歴史を持つ横須賀にキャンパスを構える「神奈川歯科大学」。学生から選ばれる大学として、クオリティの高い授業を行うことに注力し、その内容をより充実した環境で実施できるよう、2004年4月、神奈川歯科大学では、200人規模の大教室を有する新教室棟を竣工しました。
タッチパネル式モニターに触れるだけで大教室から他の全教室へリアルタイムで映像と音声を配信
TOAでは、大中小8つの教室を持つ、新しい教室棟の設備設計から施工までをトータルにプロデュースしています。
通常の授業はもちろん、講演会や学会などでも用いられることを前提に作られた200人規模の大教室では、巨大スクリーンやプロジェクター、DVD、OHPなど、学外の研究者がどのようなメディアを持ってきても対応できるよう、充実した設備を完備しています。例えば、手術内容の写真やスライドを投影するためのプロジェクター。ここでは、血液の色がよくわかるよう、赤色がより鮮明に見える商品が採用されています。
また、大教室からは、他の全ての教室に映像と音をリアルタイムで配信することが可能です。これにより、大教室に入りきれなかった人たちが、他の教室で、同時に同じ講義を受講することができるようになっています。
さらに、教室内の設備は全てマトリクスシステムによってまとめられ、操作は教壇横にあるタッチパネル式のモニターで行えるようになっています。教室の照明のオン・オフに始まり、スクリーンの上げ下げ、プロジェクターのオン・オフ、スライドの送り戻しに、マイクやスピーカーの音量調整等々、操作性が非常にシンプルなため、直感的な操作ですばやく切り替えができ、充実した設備を誰でも容易に効率よく使いこなせる仕組みになっているのです。
教室のどこにいても、心臓の微妙な鼓動音を聞き分けられる音響システムは、音圧分布図を元に設計
歯科大学という特性上、授業や講演会においては、英語のリスニングや心臓の微妙な鼓動音を聞き分けられるといった、音への配慮も重視されました。
低域から高域まで再生できる音響システムをご要望でしたので、まずは実際にスピーカーを天井面にプロットし、聴講席の耳の高さでどういった音圧の分布ができるかをパソコンでシミュレーションしました。そして、その音圧分布図を元に音響設計を行い、スピーカーの配置を決めていきました。
その結果、教室の大小に関わらず、どの位置に座っても、クリアで偏りのない高品質の音を聞くことができるようになっています。
設計から現場の管理、施工までを請け負うことはそう多くはありませんが、TOAで設計を行い、施工管理はTOAエンジニアリングが、そしてタッチパネルのシステムはジーベックが行うなど、設計から施工まで、TOAグループの総合力が生かされた事例と言えます。グループで行ったからこそ、グレードを落とさずに、設計通りに仕上げることができました。
-
インターネット環境など、さまざまな設備が整った大教室