市民に開かれた議会を目指して、老朽化した議場システムをリニューアル。
本会議のYouTube配信や電子採決を開始。
伝統工芸の九谷焼をはじめ、開湯1400年の歴史を誇る辰口温泉、国指定史跡の能美古墳群など、魅力的な歴史・文化を有する能美市。議員定数16名で構成される能美市議会では積極的な議会改革を進めており、本会議に手話通訳を導入したり、DX推進の一つとしてタブレット端末を導入するなど、さまざまな取り組みを推進。「議会改革度調査2023」では石川県内4位にランクインしています。
TOAでは能美市誕生時から使用されている本会議場の議場システムの老朽化にともなう改修で、有線会議システムを納入いたしました。音響面での改善はもとより、本会議のYouTubeライブ配信、電子採決など、市民に開かれた議会運営に貢献しています。
納入品
有線会議システム
納入時期
2022年2月
背景
ケーブルテレビでの生中継開始時(2006年3月)から使用している本会議場の議場システムが老朽化し、不具合が生じるようになりました。また、傍聴に来られない市民のために、ケーブルテレビの利用契約をしていない方にも手軽に見られるようにしてほしいとの要望もあり、システム一式の更新を行いました。
能美市議会 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@nomi-gikai
能美市 議会事務局
ご担当者様のコメント
ケーブルテレビでの生中継開始から使用してきた議場システムに老朽化による不具合が生じていることから、2022年2月に全面改修しました。以前はケーブルテレビのスタッフ3名に議場システムのカメラやマイクの操作、テロップの挿入作業をしていただき、本会議の模様をケーブルテレビで生中継していました。
今回導入した議場システムは、以前は3人で行なっていた作業を議会事務局の職員1人で行えることや、YouTubeでのライブ配信、アーカイブ配信も可能になること、表決結果がわかりやすい電子採決が対応可能なことがメリットだと感じています。
老朽化でそろそろ更新時期が来ていて、そのタイミングでケーブルテレビからレスター社がこのようなシステムを取り扱っていると教えていただきました。それをもとに問い合わせしてデモを行なっていただいたのがきっかけです。
まず、マイクの音が非常にクリアになりました。「声が聞き取りやすい」との評価もいただいています。操作面では、マイクやカメラ操作、テロップ表示などもすべてタッチパネルで直観的に行えるので、すぐに操作に慣れることができました。採決も電子採決機能付きのマイクから行なっており、今までの起立採決と違って議場内の大型モニターやYouTubeでの配信画面に議員名と表決結果が表示されるので、議員にとっても自己の賛否の意志を市民に分かりやすく示すことができます。また、一般質問の際に議員が残時間を確認しやすいように議員発言席に小型モニターを設置したことにより、時間いっぱいまで質問する議員も増え、活発な議論につながっています。
市民からの反響が大きいのは、YouTube配信です。最近では、傍聴に来られる人数よりもYouTubeの視聴数の方が増えてきました。アーカイブ映像もすぐ視聴できるようにしているので、「いつでも見られるようになって便利になった」という声も届いています。
また、能美市議会ホームページをリニューアルし、議会改革の取り組みを紹介するページ(*)を新たに作成したことで、県外自治体からの能美市議会の取り組みに対する視察依頼が急増しています。実際に視察に来られた際も、電子採決の仕組みやYouTube配信について質問をいただくことが多くなりました。
(*)これまでの主な議会改革・議会DX
https://www.city.nomi.ishikawa.jp/www/contents/1684916144703/index.html
地方議会では議員のなり手不足が深刻な問題となっているので、これからさらに市民の議会への関心を高めていく必要があると考えています。能美市議会ではDXによる議会運営の効率化や情報発信の強化として、タブレットを導入したり、今回の議場システムのリニューアル、本会議や委員会のYouTubeライブ配信に取り組むなど積極的な議会改革を進めています。
さらに、2022年9月からは、定期的に開催している市民との意見交換会の模様をダイジェスト動画にして、YouTubeで配信するなどの取り組みも新たに始めました。今後は単に議会活動の情報を発信するだけでなく、議会に関心を持っていただくためのコンテンツ制作などにも取り組んでいけたらと考えています。
有線会議システムのセンター装置TS-910などが収納された機器収納架。
OSのアップデートの影響を受けにくい独自OSを採用したレスター社のタッチ議会中継システム。
小型モニターでは出席議員数と発言残時間を確認することができる。
議長席の議長ユニット(左は事務局長席)。
議長席、事務局長席、議員席のすべてのユニットには着席発言、立席発言に対応したロングマイクを採用。
議員発言席の参加者ユニット。左には発言残時間を確認できるモニターが設置されていて、残り時間を確認しながら、活発な一般質問・質疑が行われている。
各議員席には電子採決が可能な参加者ユニットが設置されている。
出席議員の映像とともに、発言残時間、出席議員者数を表示する大型モニター。
能美市は加賀平野の中央部に位置する人口約49,700人(2025年1月1日現在)の市で、2005年に根上町、寺井町、辰口町が合併して誕生した。県都金沢まで約20kmの距離にあり、南には日本海側の拠点「小松空港」がある小松市に隣接。西部は日本海を望み、中央部は霊峰白山から流れ出る手取川と梯川に挟まれた扇状地で、東側には白山山系に連なる能美丘陵が美しい稜線を描いている。
九谷焼や辰口温泉、多様な動物と触れ合えるいしかわ動物園などの観光スポットが豊富。産業面では特に繊維工業や化学工業などが発展し、多くの企業が高い技術力を持ち、地域経済を支えている。
DATA
能美市
https://www.city.nomi.ishikawa.jp/
能美市議会 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@nomi-gikai