よくあるご質問
TOAのアクティブ消音システムは、エンジン排気ダクト内騒音の低減に特化しています。
具体的な事例としては、下記リンク先の別ページ、アプリケーション例や納入事例をご確認ください。
TOAのアクティブ消音システムは、ダクトのように細長い空間内を、上流から下流に向って伝搬する平面波(低周波)騒音の低減に効果を発揮します。
ダクト内に騒音がある間に低減し、ダクトから外に出るときには静かな状態になっていることを目指しています。
また通常、ダクトの中は低周波数以外にも中~高周波数の騒音も多く伝搬しています。
耳にうるさく感じられる中~高周波数の騒音の低減には、従来から用いられている消音マフラーなどの消音器(パッシブ消音技術)をご利用ください。
TOAのアクティブ消音システムは、一般的なアクティブ消音技術と同様に低周波数の騒音低減が得意です。
消音器では低減が難しい低周波数の騒音を低減する場合に、TOAのアクティブ消音システムをご検討いただければ幸いです。
TOAのアクティブ消音システムは、高い周波数(概ね数百ヘルツ以上)の騒音を低減することはできません。
- ■ビルやファン、風車などからの直接的な風切り音
- ■高い音を含んだ切削音
- ■金属加工音
- ■破裂音
- ■空調ダクト内の空気音
また、低周波数成分を低減しても、高周波成分を低減しないままでは、聴感的にはほとんど騒音を低減したように聞こえません。
従来から騒音対策として施されてきた吸音材、遮音材等を用いたパッシブ消音の技術は、低周波騒音の消音は不得意ですが、高い周波数の騒音低減を得意としています。つまり高い周波数及び広帯域の騒音低減には、アクティブ消音ではなくパッシブ消音の方が効果的で経済的です。
TOAのアクティブ消音システムは、適応予測により騒音低減を行うため、突発音のような時間的に変動の激しい騒音について、現状では適応が困難です。
- ■爆発音や打撃音、掘削音
- ■人の話し声、動物の鳴き声
- ■通過する車両や電車、飛行機からの直接音
TOAのアクティブ消音システムでは、広範囲に広がる騒音を低減することはできません。
- ■建築物や壁自身が振動により騒音を発している場合
- ■騒音の発生源が複数、または複数方向に発生する場合
- ■部屋、室内の消音など
TOAのアクティブ消音システムではダクト内のような細長い空間を伝搬する騒音低減技術を提供しています。
騒音の発生源付近の音をマイクで集音し、スピーカーから正確な逆位相音を発生することにより騒音が広がる前に低減するため、すでに広い自由空間へ広がった騒音を広範囲において低減することはできません。
ただ、他のアクティブ消音技術を用いると条件によっては広範囲に広がる騒音を低減することが可能な場合があります。騒音源から騒音が周りに広がるときは、騒音源を中心とした球形の波面が広がっていきます。騒音を低減(キャンセル)するには、この広がる騒音の波面と同じ球形、かつ、音圧の正負が逆の球形波面(これをアンチノイズといいます)をスピーカーから出力して、この二つの波面を重ね合わせる必要があります。
騒音の球形波面と同じように広がる波面を作り出すには、厳密にはスピーカーを騒音源とまったく同じ場所に置かなければならず、現実には実現不可能です。
そこで、騒音源を囲むように複数のスピーカーを配置し、その複数スピーカーによる合成波面が、騒音の波面に近似するようにして、騒音を低減するマルチチャネルのアクティブ消音技術が研究されています。
現在、マルチチャネルの制御は大変難しく、コストもかかることから、手軽に用いられる手法ではありません。
実験的に行われていることが多く、なかなか実用化されていないようです。
通常、騒音でお困りの空間は、工場の作業スペースや機械室、また普通の会議室や居室のように、比較的広い空間です。空間のサイズが大きくなるにしたがって、音は壁、床、天井に何度も反射し、室内は大変複雑な波面で満たされます(複雑な音場になります)。
音波には波長というサイズがあり、低い周波数は大きく(数m以上)、周波数が高くなるにつれ波長は短く(数cm~数十cm)なります。壁や床の寸法より小さな波長の音波は、反射などにより室内を縦横無尽に進み、音の波面がすごく乱れたものになってしまいます。
例えば浴槽に水を張り、水面を手で波立たせると、手(騒音源)から広がった波(騒音)が浴槽の壁に反射し、すぐにひどく乱れた水面になる状態と似ています。
このような複雑な波面をスピーカーから作り出すことは大変困難なため、ヘッドホンと同様に消音することができないのです。
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