美音の秘密
寺院の外廊下を歩くと、かすかに鴬のさえずり。京都の知恩院がよく知られる”鴬張りの廊下”は、乾燥して板が反った時に、床板とそれをとめたかすがいとが摩擦して鳴る。
寺院の外廊下を歩くと、かすかに鴬のさえずり。京都の知恩院がよく知られる”鴬張りの廊下”は、乾燥して板が反った時に、床板とそれをとめたかすがいとが摩擦して鳴る。
立春から数えて二百十日。九月は台風の季節である。江戸初期の画人、俵屋宗達は、雷を八個の太鼓を叩く鬼の姿をした雷神として、「雷神図屏風」に描いた。
インドネシアのバリ島で、祭式や舞踏の伴奏などに奏でられるガムラン音楽。竹や金属の打楽器が、荘厳にして不思議なうねりを生む。その時、人間には聞こえない高さの空気振動音が、快適さを感じさせているという。この聞こえない「音」があふれる島では、呼吸のリズムさえ軽やかになり、人々は陽気に暮らす。
祇園の石畳に、舞妓さんのぽっくりが響く。 ぽっくりは少女の盛装のげた。江戸時代に吉原遊郭の"かむろ"が用いたのが始まりといわれる。
ザトウクジラは、冬は北の海で過ごし、夏になると雌だけが先に南下する。だが決してはぐれることはない。海には空気中の5倍の早さで、しかも千キロの彼方まで音を伝えるサウンドチャンネルという層がある。雄はこれにのせて歌うような「音」を発する。愛すればこそ相手を聞きわけ、めぐり逢うことができる。
運動会の朝にポンポンと上がる花火は、遠くて音も小さいのに、いつもの目覚まし以上にハッと目が覚めたものだ。