秋空に響く音
運動会の朝にポンポンと上がる花火は、遠くて音も小さいのに、いつもの目覚まし以上にハッと目が覚めたものだ。
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運動会の朝にポンポンと上がる花火は、遠くて音も小さいのに、いつもの目覚まし以上にハッと目が覚めたものだ。
元禄二年の夏。『奥の細道』の旅で裏蔵王の山里に立ち寄った芭蕉は、「山寺や石にしみつく蝉の声」という句を詠んだ。
昔から日本人は、自然の静寂の中に響く心地よい音を創り出す名人だったようだ。
子どもの頃、波の音が聞こえると言われて、貝殻を耳にあてた経験はないだろうか。
五月雨は、パラパラ。六月の梅雨はシトシト。そして夕立は、一転空を曇らせ急にザーザーと勢いよく降る。
能舞台の床下には、無数の瓶が埋め込まれ、残響音を高める工夫がされている。また、コンサートホールや劇場も「音」をより理想的な響きにする空間を追求し、様々な工夫がなされてきた。昔から人は「音」を欲し、「音」をより効果的に聞くことのできる、音空間を追い求めているのではないだろうか。