稚内空港 様

「稚内空港」のイメージ画像

空港ターミナルビルの非常放送、業務放送設備をリニューアル。
多元放送が可能になり、さまざまな空港利用者の利便性が向上、安全で快適な空港利用をサポート。

概要

日本最北端の空港として東京、札幌を結ぶ路線が就航している稚内空港。道北観光の拠点空港として地域経済の発展に貢献しています。
稚内空港ターミナルビルに非常・業務兼用放送設備と防犯カメラシステムが採用されました。出発ロビーやホールディングルーム(搭乗待合室)、到着ロビーなど、細分化されたエリアへの多元放送による機能性の改善、航空会社職員の方や空港利用者の方の利便性の向上、保守・メンテナンス業務の効率化を実現しています。

納入情報

納入品 ラック型非常用放送設備 FS-2500シリーズ
ネットワークカメラシステムTRIFORAシリーズ
納入時期 2022年3月
背景 導入後15年以上が経過した非常・業務兼用放送設備や防犯カメラシステムが老朽化。出発・到着が重なる時間帯に、エリアごとに異なる案内放送を流すことができず、課題となっていました。

課題と解決のポイント

課題

  • 以前使用されていた放送設備が、導入から15年以上経過していた
  • 出発ロビーや到着ロビー、ホールディングルーム(搭乗待合室)など、それぞれの場所に、同時に異なる案内放送を流すことができず、適切なタイミングで案内放送を行うことができなかった
  • 安全な空港運営を行う上で、保守・メンテナンスをより万全にしたい
  • 既設機器のうち、引き続き使用できるものは有効活用し、コストパフォーマンスのよいシステム改修にしたい
  • 消防設備としての非常放送の機能と、便利な案内放送の機能を両立させたい
  • 防犯カメラシステムも導入後15年以上が経ち、最新設備との機能差が顕著になっていた
  • 将来的な機能拡張の余地がなかった

解決のポイント

  • 全国の多数の空港に納入しているノウハウや実績を活かし、運用上不都合のないシステム構成と設定を徹底的に追求
  • 非常放送設備の要求を満たしながらも、案内放送の機能をストレスなく利用できる構成を実現
  • トラブル発生時に保守・メンテナンス担当者が容易かつ詳細に情報が確認でき、迅速な復旧が行えるシステムを実現
  • 事前調査により、空港運用と照らし合わせ、スピーカー回線や配置がそのままでも多元化できることを診断
  • 将来的な機能拡張や設備連携のベースとして活用できるシステムを実現
  • ネットワークカメラシステムTRIFORAシリーズの導入で、高画質の映像確認が可能に
  • 自動化できる機能・操作の診断(時刻補正、BGM再生・停止)

納入商品

  • 空港ビル内の非常放送、業務放送を行うラック型非常用放送設備 FS-2500シリーズ。
    空港ビル内の非常放送、業務放送を行うラック型非常用放送設備 FS-2500シリーズ。
  • フルマトリクス機能により、案内放送などの業務放送をエリアごとに多元で行うことが可能に。
    フルマトリクス機能により、案内放送などの業務放送をエリアごとに多元で行うことが可能に。
  • ホールディングルーム(搭乗待合室)のカウンターにある卓上型リモートマイク。
    ホールディングルーム(搭乗待合室)のカウンターにある卓上型リモートマイク。
    個別エリアやグループ、一斉放送を選択して放送。タブレットなど、外部入力による放送もできる。
  • ホールディングルーム(搭乗待合室)の天井に設置されているフルHDネットワークカメラN-C5120-3。
    ホールディングルーム(搭乗待合室)の天井に設置されているフルHDネットワークカメラN-C5120-3。
  • 到着口に設置された壁掛け型リモートマイク。
    到着口に設置された壁掛け型リモートマイク。
  • 到着口にあるフルHDネットワークカメラN-C5120-3。
    到着口にあるフルHDネットワークカメラN-C5120-3。
  • チェックインカウンター内にある卓上型リモートマイク。
    チェックインカウンター内にある卓上型リモートマイク。
  • チェックインカウンターに設置されたネットワークカメラTRIFORAシリーズのフルHDネットワークカメラN-C5120-3。
    チェックインカウンターに設置されたネットワークカメラTRIFORAシリーズのフルHDネットワークカメラN-C5120-3。

インタビュー記事

「長年の課題だった出発・到着時の各エリアへの案内放送のマイクの取り合いが解消。細分化されたエリアへの多元放送、トラブル発生時の迅速な復旧と安定稼働が実現できました。」 

北海道エアポート株式会社

稚内空港事業所 事業所長

畑 雅彦 様

-今回の放送設備のリニューアルのポイント、使用しての感想を教えてください。

畑 氏

提案前の詳細なヒアリングと、羽田空港や新千歳空港など日本の主要空港の放送設備を手掛けている知見やノウハウをもとにした、稚内空港にカスタマイズされたプレゼンテーションですね。今までは複数の放送エリアに対し、同時に異なる案内放送を流すことはできませんでした。今回のリニューアルで多元放送が可能になり、ホールディングルーム(搭乗待合室)や到着口など、細分化したエリアに異なる旅客案内放送や業務放送を行える環境が構築できました。航空会社のスタッフの方にメインで使ってもらっていますが、事前にヒアリングした要望通りになっていますので、満足してくれていると思います。
導入に当たっては保守・メンテナンスを担当している現地の代理店に技術情報やノウハウをしっかり共有していただいたので、今後の安全性を考えても安心できますし、非常にいいメーカーだなと感じました。

-今後の展望をお聞かせください。

畑 氏

旅行需要もコロナ前よりも増えると思いますし、ビジネス需要ではリモート業務が進んでいますが、一方で対面での商談や展示会なども今後回復してくると思います。稚内でも観光需要やビジネス需要を取り込んで、東京だけではなく、大阪や九州、海外からのお客様も増えたらいいですね。今回のリニューアルで多元放送や、非常放送の4カ国語には対応できましたが、今後さらに案内放送の多言語化やバリアフリー化、旅客案内情報や観光情報の見える化などにも取り組んでいけたらと考えています。
また、当社は北海道の7空港(新千歳、函館、帯広、釧路、旭川、女満別、稚内)の空港運営を行っています。稚内空港を含む7空港のネットワークの連携、情報共有や発信システムの構築により、北海道エアポート全体のメリットの創出につながるのではないでしょうか。

「空港の放送設備におけるノウハウや、技術情報の共有や実機を用いたレクチャーなどの技術支援により、トラブル発生時の復旧スピードの向上と安定した設備稼働につながりました。
今後の保守・メンテナンスや新たな設備提案で、さらなる信頼獲得につなげていきます。」 

株式会社桜井電業所

代表取締役 高島 健吾 様(写真右)

電設部 部長 西口 浩二 様(写真左)

-TOAによる技術支援のメリットは?

高島 氏

長年の稚内空港の保守・メンテナンス業務で培った当社の現場力と、日本の主要な空港に非常業務用放送設備を収めているといったTOAの実績やノウハウに基づいた技術提案が組み合わさって、いい提案ができました。今回は交通インフラの中でも重要度の高い空港への納入ということもあり、TOAと空港の非常業務放送設備のノウハウ共有、保守・メンテナンスやサポート業務の際の技術情報を提供してもらいました。
中でも印象深いのは、実際に稚内空港に設置される非常用放送設備の実機をラックごと工事前に当社に持ち込んでもらい、行なった勉強会です。実機を仮置きし、スピーカーを仮配線でつないで、実際に放送を流して操作環境やログの確認などをさまざまな部署の社員を集めて実施しました。TOAの技術担当のスタッフから直接レクチャーを受けることができ、若手社員や部署の垣根を超えて社員が参加したことで、緊急対応時に手厚い対応が可能になり、より一層の信頼獲得につながりました。
また、TOAの担当営業の方と話して感じたことは、通常メーカーさんでしたら、技術のことのみになっているところを観光地としてのビジョンも含めプランニングするところが素晴らしいと思いました。

-保守・メンテナンスで便利になった点は?

西口 氏

何かトラブルが発生した時には私のPCで稚内空港にある放送設備にアクセスして、いつにエラーが起こったのか実際のログを遠隔で確認しながら迅速に復旧作業を行うことができるようになりました。以前は私を中心に作業を行なっていたのですが、現在では電気設備の点検で毎日訪問している社員も対応できるようになりましたので、社員のスキル向上や全社的な効率化にもなっています。

稚内空港の概要
稚内空港

宗谷海峡をはさんで東はオホーツク海、西は日本海に面した北海道最北のまち、稚内。礼文島や利尻島も含めた道北リアを巡る旅の拠点として利用されているのが稚内空港。2,200mの滑走路を有する日本最北のジェット化空港として、東京(羽田)や札幌(新千歳)と路線を結んでいる。
空港ターミナルビルは4階建てで、1階に航空会社カウンターと到着ロビー、2階に土産物店・レストラン、出発ロビーがあり、3階に屋外の展望デッキ、4階は屋内展望室となっている。

導入商品

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