インタビュー1
音楽とダンス、異なるジャンルのコラボレーション
- ハマー:
- TOA Music Workshop(以下、TMW)では、音楽とダンス、アーティストと企業という異種のコラボレーションが大きな特徴だと思います。コラボレーションする上で感じていたことがあれば教えてください。
- サエ:
- すごく正直な話、一緒にやり過ぎて「ここが気になった」というところがもう思い出せないんです。ダンスとのコラボレーションも、TOA株式会社(以下、TOA)の社員さん達がスタッフとして体育館に一緒にいることも、私の中では普通なので、そこに苦労とか、そういうのが正直浮かばなくて・・・・・。他の方はいかがでしょうか?
- ミーコ:
- 私はまずなにより、毎回生演奏で踊らせていただけることが本当に贅沢で、痺れるほど幸せな時間でした。その音を美しく伝えてくれるスピーカーがあって、体育館での照明の工夫、細やかな子ども達のサポートも、普通ではあり得ないことだなといつも感じていました。
- ハマー:
- 音楽とダンスのコラボレーションという点ではいかがですか?
- サエ:
- 音楽チームは拍数や楽譜というように共通言語があるのですが、ダンサーとは「このワークのこの部分を指している」という説明が、最初の頃は難しい時がありました。
- ミーコ:
- ダンスは拍数でもざっくりと8カウントで数えるので、そのあたりは頑張って理解しようとしていました。
- ヤマ:
- 僕らは普段の演奏では楽譜を見ることが多いですけど、このワークショップの時はダンサーの動きを見て合わせるとか、現場ごとに毎回違う音楽や振り付けになる部分がありました。それがダンサーと一緒に取り組んでいて面白かったことですね。
- メリ:
- 音楽とダンスが交わる中で、最初はお互いに譲れないポイントを探っている時間があったと思います。私とミーコちゃんもこのTMWで初めて会ったので、ダンスを通してお互いを知るところから始まりました。
- ハマー:
- バチバチしたこととかもありましたか?
- メリ:
- 最初に「Step To Beat!」のダンスチーム、セレノグラフィカさんに教えてもらい、音楽チームのshifa(シファ)さんからもお話を聞いたんですが、「ANIMAL CONCERTO」(以下、アニマル)のプログラムを作ったのは1日ぐらいだったんです。ワークショップを実施していくなかで徐々に改良していくという方針だったので、あとは話し合いながらどんどん変えていきました。今ではもうプライベートでも会う家族のような間柄なんですけど、まだ新しいことが一緒に出来るんじゃないかなという気がします。
- ハマー:
- トモジャンベ、ツジジャンベはいかがですか?
- ツジ:
- 今お話されていた創成期に私はいなくて、後から加入させてただいた身としては、出来上がったものに入る緊張感はとてもあったんです。
- ハマー:
- 僕もなので、とてもわかります。
- ツジ:
- ダンスとのコラボレーションはもちろん、照明さんや音響さんといったプロフェッショナルの各セクションがガチッと噛み合ったステージに初めて乗せてもらった時、驚きと感動で気持ちがシャッとしました。「こんなにすごい音響、聞いたことないぞ」と。子ども達とダンサーとの距離感もすごく近くて、その光景は皆さんが時間をかけて作り上げてこられたものなんだな、すごいなと思っていました。
- トモ:
- TMWは自分にとっても挑戦なんですね。普段のオーケストラの演奏とは全然違うことが必要で、上手くいかないこともありました。けれど、受け止めてくれる仲間がいて、スタッフの方々の仕事ぶりも見ながら、自分のやれること、新しくやれそうなことを探していったような気がします。
>>インタビュー2 企業の社会貢献事業としての取り組みー楽しさ、難しさ、発見