共鳴が起こるのはなぜ?
講堂や体育館でマイクやスピーカーの音が“ワ〜ン”と響いて、話の内容が聞き取れなかったことはありませんか?
それは「共鳴」という現象が起きているためです。
ここでは、共鳴が起きる仕組みを簡単に紹介します。
共鳴が起こる仕組み
そもそも音とは、空気中を伝わる振動のことです。つまり、音は私たちの目に見えないだけで、本当は波のように振動しているのです。もちろん、「共鳴」の発生もこの波が関係しています。 その仕組みですが、まず平行した壁に囲まれた空間内で音を出した際に発生した波を入射波といい、それが壁に当たって反射することで発生する波を反射波といいます。これが繰り返されることで両者が合成され、合成波(つまり定在波)が発生し、共鳴を生み出しているのです。また、その定在波が生じている周波数を「共鳴周波数」といいます。 よく、ハウリングと共鳴を混同されているケースがありますが、ハウリングとはマイクやアンプ、スピーカーの間で音のループが生じている現象で、共鳴とは空間内でスピーカーから放出された音が引き起こす現象をいいます。
入射波と反射波の山と山、谷と谷が重なるところで大きな合成波が生じ、それが定在波となり、共鳴が起こります。
共鳴を取り除くには?
通常、音は時間が経つごとに減衰していくものですが、共鳴を起こしている音は減衰しにくく、結果としていつまでも音が響き続け、“ワ〜ン”という聞き取りにくい現象の原因となってしまいます。その状態を解消するためには、まず共鳴を発生させている共鳴周波数を測定によって探し出し、かつその周波数を減衰させる必要があります。
共鳴周波数の測定がグンと簡単に
共鳴周波数の測定は、これまでは熟練したエンジニアなどにより、人の耳に頼る調整が主でした。しかし現在では、デジタルオーディオプロセッサーに搭載されるARC機能(Automatic Resonance Control機能)を用いて、測定から補正フィルター生成まで自動で行い、共鳴を低減させる方法が注目されています。
このARC機能を搭載したデジタルオーディオプロセッサーは、共鳴周波数を探し出し自動補正することで、拡声された音声がより聞き取りやすくなります。簡単な操作で放送したいエリアの音響特性を自動測定し、共鳴を抑えるARCフィルターを自動生成。およそ3分で音響測定・共鳴抑制が完了します。