線音源の特徴
垂直方向に音が広がらない特徴を持つ線音源(ラインアレイ)ですが、その垂直方向の指向性を維持するエリアには限界があります。線音源の特性が維持できるエリア(有効距離)は周波数を一定とすると線音源の長さによって決まってきます。有効距離を超えたエリアでは従来の点音源と同じように上下左右に音が広がりながら伝播します。線音源の有効距離は線音源の長さと周波数により計算できますので詳しくは右図の説明をご覧ください。
通常のスピーカーシステムでは音が水平方向にも垂直方向にも広がるのに対し、ラインアレイスピーカー、コンパクトアレイスピーカーでは、垂直方向には広がらず水平方向にだけ広がる特性があります。点音源である通常のスピーカーシステムと比較し、線音源のラインアレイスピーカー、コンパクトアレイスピーカーは、距離による音の減衰が少なく、明瞭な音声の拡声や、エリアによる音量差が少ないなどの利点があり、規模/用途に応じて最適なシステムを構築できることから、アリーナやドーム球場、スタジアム陸上競技場、大型体育館、大教会など、従来のスピーカーでは再生/拡声が困難な現場でも、高品位なサウンドを実現できることから、多く採用されています。
同位相連鎖制御駆動技術。線音源を構成する各音源が同位相で連鎖するように制御を行う波面制御技術で理想的な線音源が実現できる。TOA のラインアレイスピーカーには線音源を実現する波面制御技術としてSYNC-Drive※(シンクドライブ)™テクノロジーを開発し応用しています。※商標登録
原型となるアイディアは至ってシンプルです。 これは「音波が伝播するにつれて分岐を繰り返す」という構造になっています。どの経路をたどっても出口までの距離が均一になるように、また、伝播ロスが最小に抑えられるように、精密な設計が施されていますので、最終、ドライバーから放射された音を垂直方向へ広げながら音の出口に同時に時間を揃えて放出しますので、理想的な線音源が形成されます。
ラインアレイスピーカーの正確なシュミレーションが行えるソフト(EASE Focus)を紹介致します。EASE Focusはラインアレイの音源を二次元でモデリングするソフトウェアです。直感的なインターフェースで、設置会場に合わせたアレイ性能を簡単かつ迅速に予測します。従来の2Dソフトウェアツールと比べると、EASE Focusの適用性はかなり大規模で、アレイの正確な位置、角度、最大音圧等を計算します。なお、このソフトウエアは無料にて利用可能です。このEASE FocusにTOA製スピーカーのデータをインストールすることによりTOA製スピーカーのシュミレーションデータを作製することが可能となります。
垂直方向に音が広がらない特徴を持つ線音源(ラインアレイ)ですが、その垂直方向の指向性を維持するエリアには限界があります。線音源の特性が維持できるエリア(有効距離)は周波数を一定とすると線音源の長さによって決まってきます。有効距離を超えたエリアでは従来の点音源と同じように上下左右に音が広がりながら伝播します。線音源の有効距離は線音源の長さと周波数により計算できますので詳しくは右図の説明をご覧ください。
線音源の有効距離は上図の数式で求められます。具体的にはどのくらいの長さのラインアレイスピーカーを何本連結すればどのくらいの有効距離が得られるかがこの式から導き出すことができます。設備やイベントで何台ラインアレイスピーカーを用意すれば理想的な客席をカバーできるか、計算できます。
音響設備に求められる性能は、施設の用途や目的によって多様化しています。
TOAでは、お客様の求める音響空間ニーズを実現するために、様々な角度から検討を重ね、より快適な音響空間をご提案していきます。
ここでは、私たちが納入させていただいた事例をご紹介します。