> > 無線LANの概要とセキュリティについて

無線LANの概要とセキュリティについて

カメラと録画機能(記録メディアSSD)を一体化したTOAの「タウンレコーダー」。TOAのタウンレコーダーには、無線LANを使用してカメラ映像を取り出す機種をラインナップしています。
無線LANを使用することで、安全で便利な映像の取り出しを実現していますが、一方で、無線LANのセキュリティに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、無線LANの概要とセキュリティについて、分かりやすくご紹介します。

【無線LAN規格の種類と特長】

無線LANにはいくつかの規格があり、それぞれ使用できる周波数帯域が決められています。いずれの規格においても、無線LANが使用できる周波数帯域は2.4GHz帯域、あるいは5GHz帯域、あるいはその両方の帯域です。

主な無線LAN規格の種類と特長

クリックすると表が拡大します。

5GHz帯域において、無線LANが使用する帯域には、5.2GHz、5.3GHz、5.6GHzの3つの帯域があります。
このうち、5.2GHz帯域と5.3GHz帯域は屋外で使用するには、無線基地局の免許を取得しないと使用できません。
一方、5.6GHz帯域は免許を取得しなくても屋外で使用できる帯域です。
TOAのタウンレコーダーは、屋外で使用されることを想定して、無線基地局の免許を取得しなくても屋外で使用できる5.6GHz帯域にのみ対応しています。
(※タウンレコーダーは、5.6GHz帯域に加えて、2.4GHz帯域にも対応しています。)

ページの先頭に戻る

【2.4GHz帯域と5GHz帯域の違い】

2.4GHz帯域は5GHz帯域よりも長距離まで電波を届かせることができます。しかし近年、2.4GHz帯域を使用する無線LAN機器の増加や、下図のようにチャンネルを変えても周波数帯域が重複しているため、電波の干渉が起こりやすく通信速度が低下し、安定した通信ができなくなることがあります。チャンネルは13個ありますが、一部のパソコンおよび無線LANルーターでは、チャンネルが11個までしか対応していない場合もあります。

2.4GHz帯域

一方、5GHz帯域は2.4GHz帯域と比較して、その帯域を利用している機器がまだ少ないことや、下図のようにチャンネルの周波数帯域が重複していないため、比較的安定した高速で通信することができます。5.6GHz帯域には、気象レーダーや船舶レーダーとの干渉を自動的に回避する機能もあります。チャンネルは、5.2GHz、5.3GHzは4個、5.6GHzは11個あります。

5.6GHz帯域

ページの先頭に戻る

【無線LANのセキュリティについて】

無線LANで送信する情報はどうやって守る?

無線LANでは周波数帯域が規格で決められており、その周波数帯域は公に知られています。つまり、電波を受信できる機器があれば、意図しない第三者に無線LANの電波を受信されてしまうのです。

そのため、無線LANでは送受信する信号を暗号化。電波は受信できても、信号の中身は解読できないようにすることで、セキュリティを保っています。

現在もっとも信頼性の高い暗号化方式

現在、無線LANの信号に用いられている最新の暗号化方式は、WPA2-PSK(AES)という信号規格です。
この規格では、従来の暗号化技術の弱点とされてきた暗号化処理を抜本的に見直した高度な暗号化を採用。加えて、通信中にも暗号鍵を変更し続けることによって、解読をさらに困難化しています。
アメリカ政府にも公式採用されているほど、強固な暗号技術です。
WPA2-PSK(AES)を使って暗号化した情報は、現在の技術では解読不可能だといわれています。

ページの先頭に戻る

【最新の暗号化方式と2つのセキュリティ機能を搭載した「タウンレコーダー」】

TOAの「タウンレコーダー」は、無線LANで送受信する信号の暗号化にWPA2-PSK(AES)を採用しています。しかし、無線LANに接続するSSIDとセキュリティキーが分かれば、直接、タウンレコーダーと接続することができるようになります。そうなれば、無線LANで送受信する信号がどんなに強固に暗号化されていても、タウンレコーダーから直接、情報を引き出すことができるようになり、暗号化の意味がありません。
そこで、タウンレコーダーでは、さらに2つのセキュリティ機能を搭載しています。

ひとつはステルス機能で、無線LANのSSIDを外部から見えなくする機能です。タウンレコーダーの近くにパソコンを置いてもSSIDが表示されないので、安易にカメラの存在を知られません。

もうひとつは、カメラへのアクセス制限。ユーザー名とパスワードの両方を入力して接続認証をしないことには、ライブ映像の確認や設定画面にアクセスできません。また、記録映像をダウンロードするには、さらにパスワードが必要となっています。

つまり、TOAのタウンレコーダーにアクセスするには、無線LANのセキュリティキー(最大20桁)と、カメラへのアクセスパスワード(最大15桁)が必要になり、そのパターンは13,400,000, 000, 000, 000, 000, 000, 000, 000, 000通りもあります。
以上のことから、カメラへの不正アクセスには無線LANのセキュリティキーとカメラへのアクセスパスワードが分からない限り、現実的には不可能になっています。
そのため、セキュリティの保持には無線LANのセキュリティキーカメラへのアクセスパスワードの管理がとても重要なのです。

ページの先頭に戻る

【まとめ】

無線LANのセキュリティにおけるセキュリティキーとカメラへのアクセスパスワードの重要性はご理解いただけたでしょうか?万全を期すためにも、下記の2点を必ず守るようにしてください。

  • 無線LANのセキュリティキーとカメラへのアクセスパスワードは出荷時の設定から必ず変更する
  • 推測されやすい簡単なものではなく、英数字を組み合わせた複雑なパスワードを設定する

万が一のために、紙にメモしてパソコンの近くなどに置いておくのも避けてください。しっかり管理して、安全に無線LANを使用しましょう。

ページの先頭に戻る